皆さんごきげんよう、駆け出しボカロPのIWOLIです。
今回はボカロPを始めるのに必須となる、
おすすめの歌声合成ソフトと選び方を解説します。
「VOCALOID」で始まったボカロというコンテンツや文化は、
色んな歌声合成ソフトの登場で今やかなりの広がりを見せています。
そうなると、問題になってくるのが「どれにすればいいの?」という事だと思います。
今回の記事を読んでいただければ、そんな問題を解決し、
お気に入りの歌声合成ソフトとライブラリ、相棒を選んで、
ボカロPとしてスタートする事が出来ますよ!
Contents
歌声合成ソフトの選び方
まずは、数ある歌声合成ソフトを紹介する前に、
ソフトの選び方について解説します。
ここで「初音ミクに歌ってほしいから、ミクのパッケージのソフトを買えばいいんじゃないの?」と思われる方も居ると思います。
それも間違いではないのですが、ポチる前に一つ確認させてください!
貴方は、DAW・歌声合成ソフト・歌声ライブラリの違いを説明できますか?
これ、意外と見落としたり勘違いしたまま進みかける方を見かけるんですよね。
誤解を招きかねない様な有名サイトもあるくらいですから…
まず、DAWは音楽や音声を編集するソフトです。
歌声合成ソフトをDAWに含める事は出来るかもしれませんが、
基本的にはそれ以外を編集する総合的なソフトを指すので今回は特に関係ありません。
一方の歌声合成ソフトと歌声ライブラリは少しややこしいので、
選び方のヒントも踏まえつつ解説していきますね!
合成ソフトとライブラリの違い
単刀直入に言うと歌声合成ソフトと歌声ライブラリはそれぞれ
- 歌声ライブラリ:声のデータ(=ボーカリスト本人)
- 歌声合成ソフト:対応する声のデータで歌を出力するソフト(=録音スタジオに近い?)
という感じになると思います。
ライブラリの方はとても分かりやすいですね。
初音ミクや可不、重音テトなどはこれらライブラリ、声の名前です。
一方の合成ソフトは少しややこしいです。
こちらは、指示されたメロディや歌詞の通りに、ライブラリにある声を合成して、最終的に歌声として出力するソフトです。
YAMAHA社が開発したVOCALOIDは、この合成ソフトの固有名詞です。
ソフト上で歌声を作るというのは、指示通りに歌うソフトと歌声そのものが分かれているということなんです。
気を付けなければいけないのが、この合成ソフトとライブラリは対応していないものが使えない事です。
このことを踏まえて、実際の選び方を解説します!
この声で歌ってほしい!→歌声ライブラリで選ぶ
まず、「この声が欲しい!」という方はおおかた歌声ライブラリで選ぶことになると思います。
理由は明確で、歌声合成ソフトが違えば対応している歌声ライブラリが全く異なってくるからです。
例えば初音ミクV4XであればVOCALOID対応のライブラリですので、
全く別のソフトであるCeVIOやUTAUでは認識できず歌えません。
一方でCeVIO対応ライブラリである可不ならば、CeVIOが必須であり、
VOCALOIDなどでは動作しません。
多くの歌声合成ソフトはライブラリと抱き合わせではありますが、
間違えて入手してしまわないよう気を付けましょう!
「ミクと可不のデュエットが作りたい」とかであれば、別のソフト2つが必要になってしまいますからね…
またややこしいのが、同じ声が別のソフトに対応していることもありますが、
別のソフトに対応している歌声ライブラリは別物と考えましょう。
そこについて考える場合が次の例です!
声で決められない・使いやすさで選びたい→合成ソフトで選ぶ
幾つかのライブラリは複数ソフトに対応していることもあるため、
声で選びきれないという事もあります。
初音ミクが好例で、現在は「初音ミクV4X」と「初音ミクNT」の2種がいます。
さっき説明した通りライブラリが対応していないソフトでは動作しないため、
初音ミクV4XはPiapro Studioで動作しますが、
初音ミクNTは“Piapro Studio NT”が必須であり、それぞれ互換性はありません。
またあまり多いケースではないかもしれませんが、声よりもソフトにこだわりたいという場合もあるでしょう。
こういった時は合成ソフトで選んでみましょう。
様々な種類がある歌声合成ソフトですが、こんなにたくさんあるという事はやはり、
それぞれアプローチや機能が異なるということです。
例えばPiapro Studio NTには、無印Piapro Studioにはなかった機能追加があったり、
CeVIOやSynthsizer Vには今流行りのAI機能が搭載されていたり…
様々なソフトがあり使用感も変わってくるので色々探してみましょう!
無料でおすすめの歌声合成ソフト
ではお待たせしました!まずは無料の歌声合成ソフトを紹介します。
今では選択肢もかなり増え、無料でも有り得ないくらい高品質なソフトがあります。
ここでは特筆しておすすめなソフトを2つご紹介します!
VoiSona

まず無料の歌声合成ソフトで一番オススメしたいのがこのVoiSonaです!
一番の特徴は何と言っても、無料でありながらAI歌唱機能を搭載していること!
それもそのはず、こちらは可不などでお馴染みCeVIO AIの姉妹ソフトとして開発され、
CeVIO AIにはなかったプラグインとしての機能なども追加されたすんごいソフトなのです。
DAW上で歌声をオケと合わせて確認できるというのは初心者にもとてもありがたいのですが、
これに対応しているソフトはそう多くないため大きなアドバンテージと言えます。
唯一の欠点は、無料ではライブラリが知声のみで、追加するには課金が必要な事でしょう。
OpenUtau

次にオススメするのがこちら、OpenUtauです。
UTAUという名前を聞いたことある方は多いと思いますが、
OpenUtauはその強化版と言っても過言ではないでしょう。
オープンソース形式タイプのソフトで色んな人が機能強化や修正に参加できるのですが、
何もしていない状態でもとても直感的で使いやすくなっています。
またVoiSonaにはない最大のメリットはやはり、
UTAU由来のため歌声ライブラリに関しては比類なき数が出回っていることですね。
むしろ迷ってしまう事が欠点になるかもしれません…w
プラグインとして使えない・AI機能は非搭載という点で劣っていても、
十分選択肢に入ってくるでしょう。
有料でおすすめの歌声合成ソフト
お次は有料のソフトを幾つか紹介していきます。
今時無料でもかなり高品質なものが出回る時代ですが、
やはり有料は有料なだけはある優良さです。(ダジャレ)
ということで今度は有料の歌声合成ソフトをどどんと4種紹介します!
VOCALOID ※注意点有り!
最初はやっぱりこちらを挙げざるを得ないでしょう!ボカロ文化の火付け役、VOCALOIDです。
最大の武器はやはりライブラリの多さと言えます。
ただ多いだけでなく、歴史がある事もあって名前を見れば「あっ!」となる事間違いなし!有名な声が揃っています。
ただし欠点を挙げるなら、その歴史の長さ故、選択肢で迷うリスクも有る事でしょう。
以下でVOCALOID系と言える現在の選択肢を幾つか紹介します。
VOCALOID 6

現行最新のVOCALOIDは6となっています。
最大の特徴は何と言っても、初めてAIを搭載したこと。
これによりかなり人間に近い自然な歌声を手軽に生み出せるようになりました。
また有名なソフトだけあって、GUMIをはじめ結月ゆかりなど人気ボイスが充実している印象です。
ただ欠点を挙げるなら、残念ながら一番有名な初音ミクが対応しておりません。
というかリン・レンも含むピアプロキャラクターズが対応しているのは、
現段階では次のソフトと言った方が正しいですね。
Piapro Studio(VOCALOID4)

はい、まーまーよくわかんないことになってきました。
かなりややこしいですが、Piapro Studioというのは初音ミクなどのライブラリを生み出した、
「VOCALOID4を動かし機能を追加するためのソフト」と言えます。
そしてこちらに対応しているのが、
初音ミクV4Xをはじめとするピアプロキャラクターズです。
2世代前なのでAIが無いなど6と比べると機能の少なさは否めないですが、
特にミク以外のピアプロキャラクターズが良い場合、
現在はこのPiapro Studio一択になってきますね。
「じゃあ初音ミクは2択目があるの?」はい。あります。
Piapro Studio NT

それがこちら、Piapro Studio NTです。
こちらは初音ミクを生み出したCRYPTONが開発したソフトで、
VOCALOIDとの互換性がありません。
なので厳密には「ボーカロイドとは呼べない初音ミク」という事になりますね。凄く変な感じ
こちらもV4X同様AI機能はないですが、NTになる事で機能追加がされ、
比較的扱いやすくはなっていると言えます。
欠点というとAIが無い事よりも、生まれたばかりとあって対応ライブラリが初音ミクのみという所があると思います…
Synthsizer V

次に挙げるのはこちら、最近グイグイ来ている新進気鋭の歌声合成ソフト、
Synthsizer Vです!
最大の特徴は何よりも、AI歌唱の精度が余りにも高いという事です。
AI機能は他のソフトにもあれど、Synthsizer Vのクオリティは群を抜いており、
ちょっと人間と区別がつかないとすら言われます。
最近頻繁に話題になる重音テトSVはもっとも有名な例だと思います。
やはりかつてUTAUの機械的な歌声で既に人気になっていただけに、
「あのテトがめっちゃ自然になってる!」というのは衝撃でしたね。
SVでなくてもやれる人は居る様ですが。
話を戻すとこのSynthsizer V、ライブラリの種類もかなり充実してきているため、
目指す雰囲気に合わせた歌声を探すのも楽しいでしょう。
一見、隙が無く完璧に思えるソフトですが数少ない欠点と言えば、
VOCALOID・CeVIO AIなどに比べると「知名度のある歌声」ではちょっと少ないという所くらいでしょうか。
CeVIO AI/VoiSona(拡張ライブラリ)
最後にはCeVIO AIとダメ押しでもう一回!VoiSona!
完全有料であるCeVIO AIだけでも良かったのですが、
VoiSonaが既に歌声(Artistと表現されます)が充実してきており、
方向性によってはVoiSonaだけで解決する可能性もあると思い並列しました。
現在CeVIO AIにしか対応していないと言えば音楽的同位体辺りになるので、
例えば可不などの声が必要な場合に選択肢に入ってくると思います。
結論・まとめ
という事で今回はボカロ系ソフトそのものと、お勧めの歌声合成ソフト・ライブラリについて解説しました。
結構ややこしい所も多いため取っつきにくい所もあるかと思いますが、
最初は無料で一番簡単に扱えるVoiSonaか、お気に入りのキャラクター&ソフトを購入するのがおすすめだと思います。
ややこしい所については試しにソフトを動かしてみたりしながら、
ちょっとずつ学んでいきましょう!
それではオヤカマッサン~