音ゲー曲の代名詞!HardRenaissanceってどんなジャンル?”Evans”などの代表曲・おすすめ曲も紹介!

皆さんごきげんよう。IWOLIです。

今回は”HardRenaissance”というジャンルを紹介していこうと思います。

音ゲー界で根強い人気を誇るジャンル、ハードルネッサンス

とてもカッコいい曲そろい踏みなジャンルですが、

ジャンルの特徴を説明しようとすると、意外と難しい方も多いのではないでしょうか?

またプレイするゲームによっては、曲名は知っていてもジャンル名が分からないという方や、

「この曲ってHardRenaissanceなの?」と思う事もあるかもしれません。

この記事ではそんな方のために、HardRenaissanceの特徴や共通点の他、

僕が思う「HardRenaissanceらしさ」のようなものについて解説していこうと思います。

それでは、行きましょう!

※以下、たまに「ハドルネ」という略称を使います。

HardRenaissanceの概要と発祥

まずHardRenaissanceの基本的な特徴や、属するジャンル、

発祥となった元ジャンルなどを紹介していきます。

が!、説明に入る前に念の為、

HardRenaissanceの代表曲を聴いておきましょう。

曲目は、やっぱりこちら!!!

Evans – DJ YOSHITAKA

この曲を語らずしてHardRenaissanceは語れない!!!

不朽の名作ですわぁ~…

 

浸ってないで解説に移りますね…!

速い四つ打ち、Hardcoreの一種

まずHardRenaissanceの最も基本的な特徴、それは

速い!これに尽きます。

一般的にBPMは185を超えていることが多いですね。

EvansもBPM185で作られました。

そしてもう一つは、

基本のリズムが四つ打ちという事。

速い・四つ打ち…

この特徴を持つジャンルは…?

そう、Hardcore(Hardcore Techno、ハードコアテクノ、とも)です。

Evansについても、1:00辺りから始まるドロップ(サビ)のキックに注目していただくと、

ドン、ドン、ドン、ドン」と等間隔で鳴っているのが分かると思います。

ジャンルによっては、「ドン、タッドッ、ドタン」とか、「ドン、ドン、ドッドッドッ」と、等間隔でないリズムが続く物もあります。

HardRenaissanceは、これらの特徴を持つHardcoreの一種、

即ちサブジャンルとして提唱されたジャンルです。

もしHardcoreそのものについて知りたい方はこちらの記事をどうぞ!

最速の4つ打ち電子音楽、Hardcoreって何?

一方で「基本のリズム」と言ったのは、

例外的に変化する事も多いのがHardRenaissanceの特徴と言えるからです。

お次はそこについて解説していきます!

音ゲーに特化して発展!!!

さて、HardRenaissanceがHardcoreの一種とは分かりましたが、

どのようにして生まれていったのでしょうか?

このジャンル、最初に提唱したのは、先ほども紹介した

Evansの作者、DJ YOSHITAKA氏です。

そして派生元となったのはHardcoreの中でも、Tranceという別ジャンルの影響を色濃く受けた

Trancecoreというジャンルでした。

DJ YOSHITAKA氏はこのTrancecoreに、音ゲー映えする様々な要素を加え、発展させました。

  • ピアノストリングスなどの生楽器を加える
  • メロディ大きく素早く動かす
  • キック激しく連打する

などですね。

特にメロディの動きキックの連打は曲の忙しなさを加速させ、

音ゲーとして高難易度譜面が非常に噛み合う曲調を生みました。

Evansでも1:36辺りからキックが連打され、最後の盛り上がりへ暴れ散らかしているのが分かると思います。

更にピアノなどの生楽器はJ-POPなどもで聴く機会が多く、

日本人にとって馴染みやすい音色かとおもいます。

こうした要素によって、とにかく「日本人好みの音ゲー特化曲」として作り替えられ、提唱されたのがHardRenaissanceです。

HardRenaissanceの曲を色々聴いてみよう!

HardRenaissanceの概要や発祥は大まかに分かってきましたが、

実際にどのような特徴が共通しているのでしょうか?

それを知るにはやはり、HardRenaissanceとされている曲を幾つも聴くのが一番!!

特にHardRenaissanceらしさが強調された曲を幾つか聴いていきましょう。

まずはEvansと同じDJ YOSHITAKA氏作曲のこちら!

ALBIDA – DJ YOSHITAKA

キックが裏拍で入ることでキメになっている瞬間が印象的ですね。

またドロップではリードが暴れる発狂があるのも非常に音ゲーらしいです。

 

お次はアーティストを替えまして、BlackYさんから!

DJ YOSHITAKA氏の雰囲気、影響を感じさせつつも、

EvansやALBIDAにはなかったつんのめったリズムなどが個性的なグルーヴを作っています。

また「Long Ver.」とあるように、

一般的には音ゲー尺である2分前後で作られがちなHardRenaissanceですが、

こういった長めの曲も存在します。

 

またアーティストを替え異なる要素を持つ一例を。

こちら、モリモリあつし氏です!

冒頭のチップチューンが可愛らしい分、その後のド派手なリードが際立ちます。

 

最後にもいっちょ!音ゲーマー泣かせで有名なt+pazoliteさんのハドルネ!

Iapetus [BPM185 ver.] – t+pazolite

ちょっとサーカスっぽい音が入るのがt+pazoliteさんらしいですね。

この曲には面白いエピソードがありまして、概要欄をご覧ください。

“I realized I couldn’t make Hard Renaissance with 128bpm.”

私はHardRenaissanceは128BPMでは作れないと理解した

なぜこんなことを言っているかと言うと、この曲は元々

「くじ引きで指定された要素をすべて満たして曲を作る」という企画で、

あろうことか「BPM128のHardRenaissance」という矛盾の塊なテーマを指定されてしまったのです…

そのシーンがこちら…

悪戦苦闘された結果がこちらです。

Iapetus – t+pazolite

これはこれで良いけど確かにハドルネっぽいとは言い難いですね…人気クリエイターは大変だ。。。

しばし脱線してしまいましたが、HardRenaissanceの大まかな共通点や

逆にどのような幅があるか、分かって来たのではないでしょうか?

BPM128の件は例外ってことで忘れてもろて

HardRenaissanceの条件を考察する

段々とハドルネの特徴が分かってきましたね!

ここからは更に、HardRenaissanceではないジャンルも交えて、

より細かくHardRenaissanceの条件について考えていこうと思います。

似ているようでHardRenaissanceではない曲

まずはHardRenaissanceでは無いとされる曲を聴いてみましょう。

ますはこちら

生楽器が多く、荘厳な雰囲気を持ったHardcoreではありますが、

こちらは別ジャンル、”Gothic Hardcore”とされています。

冒頭部分のパイプオルガンや、2:22辺りからのドロップでも聴こえるクワイアなどの音色に加え、

特徴的なコード進行でよりクラシカルな雰囲気が強調されています。

途中リズムが大幅に変わるパート[0:56辺り]がありますが、こちらは単純にDrum&Bassに切り替えただけと解釈しています。

(Gothic Hardcoreの特徴というわけではない)

 

続いては音ゲー公募曲からこちら。

Qubism – Hate vs Brilliance

こちらはかなりHardRenaissanceに近い楽曲ではありますが、

SOUND VOLTEXの公募サイトでコメントがある通り、

「恐れ多くも(?)『ルネサンスの進化系』を意識」したとのことです。

確かに聴いてみると、HardRenaissance的な音色の合間に、

ハドルネではあまり聴かない「ポォウ!」という声ネタオケヒチェンバロなどがあり

新たな個性が加えられているように思えます。

 

さて、お次は更にややこしい例です…

これまでに何度も上げてきたDJ YOSHITAKA氏の曲なんですが…?

VALLIS-NERIA – DJ YOSHITAKA

「ハドルネじゃないの?」って思いますよね?

実はこの曲のジャンル定義はハドルネではなくTrancecoreなんです。

ALBIDAなどと同じようなエモさキック・メロディの大きな動きがあるのに?

更にこんな例まであります。

FLOWER – DJ YOSHITAKA

「これはハドルネっしょ!」って思いますか?

実はこれもTrancecoreに分類されているんです…

VALLIS-NERIAはピアノがほぼ無かったためまだ分からないでもないですが、

こちらに至ってはピアノのバッキングもあり、更にメロディの動きもかなり激しいものになっています。

 

この謎めいたジャンル定義に関しては、次のハドルネっぽさが少ないHardRenaissanceを見てから考えていきましょう。

ハドルネっぽさが少ないHardRenaissance

では今度は逆に、「ハドルネっぽくないHardRenaissance」を聴いてみましょう。

まずは…ハドルネっぽくないと言えば僕はこれなんですよね~

Elemental Creation – dj TAKA meets DJ YOSHITAKA

こういったジャンルにめっぽう強いお二方の合作ではあるのですが、

やはり何度聞いてもハドルネの条件たるピアノバイオリンが聴こえず、

ハドルネらしい壮大さあまり無いように感じます。

カッコいいのは間違いないんですが。

 

お次はBlackYさんから~!

Realidea (feat. Risa Yuzuki) – BlackY

そう!なんとボーカル曲なんです!

かなり意外な所から来ましたね!

これまで当たり前のようにインストのみでしたが、壮大でエモい曲調に、

メロディックなボーカルパートと、

とてもJ-POPっぽいAメロ-Bメロ-サビという曲展開を合わせた曲は

かなりハドルネの中でも異色です。

またボーカルだからという事か、メロディックではあるのですが、

これまでのインスト曲に比べリードメロディの動きが少なく

リズムも四分音符と八分音符メインであまり複雑ではありません。

補足:ハドルネと付点八分音符

個人的に凄く重要だと思っているのが、

HardRenaissanceらしいメロディには付点八分音符が多用される

ということです。

1小節分を言葉にすると「タータータ、タータータ」という感じになります。

例えばEvansの場合、こちらの画像の青いマーカーを付けた部分は全て付点八分音符です。

大まかに言うと「タータータ(付点八分と八分)、タタタ(八分)」というリズムの繰り返しです。

一方Trancecoreに属するVALLIS-NERIAの場合は、

4分音符・8分音符・16分音符がほぼすべてを占めています。

 

しかし、VALLIS-NERIAにもドロップ終盤に付点八分のリズムは存在しますし、

同じTrancecoreでもFLOWERは、16分音符で刻んでいるともいえる一方で、

音の切り替わりが16分音符3つ分、即ち付点八分1つ分なので、「付点八分のリズム」と解釈も出来てしまいます。

逆にHardRenaissanceとして作られたElemental Creationの場合、

16分は多いですが全体的に付点八分のリズムと言えるものは無いように思います。

大体のイメージは「タンタカタン、タンタカタン」の繰り返しでしょうか。

 

これらを見ると、大まかな傾向ぐらいには言えても、

明確にHardRenaissanceとそれ以外を分ける定義とは言えなさそうです。

HardRenaissanceの条件:まとめ

ここまで見て、すべての曲を聴いていただいた方は薄々勘づいていると思いますが、

HardRenaissanceの定義や共通点は見ての通りごっちゃごちゃです。

定義を定めようにも、あっちを立てればこっちが立たずになります。

そのためはっきりと「HardRenaissanceはこんなジャンル!」と断定はできませんが、

大雑把にHardRenaissance全体で共通する傾向にある条件はこのような感じでしょうか。

  • Hardcore由来の高速BPM四つ打ちリズム
  • 時折キックの連打キメが入る
  • ピアノ・ストリングスなどの生楽器で壮大な雰囲気がある
  • シンセリードが派手に動き回る
  • リードメロディ付点八分のリズムがある事が多い

例外もあるのでとても説明困難ですが、

これらのうち4つ以上当てはまっていると大体ハドルネらしくなる気がします。

まとめ

ということで今回は以上となります。

身も蓋もない話をすると、本来ジャンル名や定義そのものがいわば流行語やトレンドワードのような、

とても曖昧で人によって認識が異なるものではあります。

その分、より正しく理解しようとするとやはり沢山実用例を知って

「なんとなく」の感覚を掴む必要があると思います。

曖昧な答えになってしまいましたが、

少しでもHardRenaissanceの理解の助けになれたら嬉しいです。

また、今後はジャンルごとの楽曲制作講座の一つとして

HardRenaissanceの作り方もご紹介していこうと思います!

お楽しみに!