皆さんごきげんよう。IWOLIです。
今回はベースラインの耳コピについて解説していきます!
ベースラインは耳コピにおいて、メロディ(リード)の次に採ると良いとされるパートです。(ドラムなどリズム系を除く)
とはいえど、メロディのような目立つ音とは言い切れず、なおかつメロディが目立っている中で聴きとる必要があるため、必ずしも簡単とは言えません。
少なくとも、メロディより簡単という事はまずないでしょう。
この記事では、そんなベースラインを少しでも採譜しやすくするための方法をお伝えしていきます!
またここでは「ベースライン」に特化して記述しますが、「メロディすら安定して取れないんですけど…」という方のために、メロディの採り方を解説した記事もあります。
是非ご参考ください!
前述したように、ベースラインはメロディラインが採れないと厳しいものがあるのではないかと思っています。(ベーシストなどは例外かもしれませんが…)
ここからは、「メロディの採り方は分かった」という前提で解説していきますのでご了承ください。
それでは行きましょう!
1.出来るだけ耳コピしやすいベースを探す
まず最初は、耳コピ以前に「耳コピに向いた音源の決定」からです。
そもそもですが、メロディの次がベースと聞いて意外に思った方もおられるかもしれませんね。
メロディとベース以外にも色んな音がある中、目立つギターなどではなくベースが選ばれる理由とはなんでしょうか?
それがベースの「音域」にあります。
ご存じの通りベースは低音を専門に担当します。
この低音というのは本来濁りやすく、複数の楽器や和音を鳴らすと響きが悪くなる可能性が高いです。
なので逆に一般的に多くの音楽では「低音域は音を減らす」工夫をすることで、そういった問題に対処します。
例えば、ベースとキック以外は低音域で鳴らさない、などですね。
つまり、低音域は「ベースを聴く上で邪魔になるものが少ない」ということです。
こう考えると、メロディの次にベースが聞き取りやすいのも納得できるのではないでしょうか。
さて、という事は言い換えるとこの、「ベースが聞き取りやすい」という条件に則っている、即ち「ベースの邪魔になる音が少ない」方が、耳コピがしやすい、ということになります。
ではそんなベースとは何か?
結論を言うとそれは「4つ打ちキックの間になる、裏打ちベース(オフビート)」です。
キックも合わせて言葉にすると「ドゥン,ベッ,ドゥン,ベッ,」って感じ。
EDMなどでよく聴きますね。
なるべくこんな感じの曲を探した方が、あとが楽になってくると思います。
更に詳しい説明は以下を参照してください。
2.低音域がはっきり聴こえる音響機器を用意する
さて、手順の2ですがまだ作業は始めません!
何故なら、ここが出来ていないとそもそも、ベースが聴こえない!
ということで皆さん、最低限のリスニング環境は用意しましょう。
皆さんも経験ありませんか?
いつもスマホのスピーカーで聴いている曲を、テレビで聴いたり車の中で聴いた時…
みたいな感覚。
そうです、例え同じ音源でも、音を発する機械が違えば聴こえ方は当然変わります!
個人的な感想ではありますが、イヤホンだった場合5000円くらいから明確に聴こえ方が変わったような印象があります。
ものによって、「高音がクリアで綺麗だな…!」と思うこともあれば、「低音迫力ある!」と思う事も。
この辺りの個体差は好みもありますが、あくまで今ベースラインを取りやすくしたいという目的に絞るなら、低音重視のを買っておけばひとまず大丈夫でしょう。
ただし!もしこれから本格的に音楽活動がしたいようでしたら、5000円では間違いなく足りないと思います。
この価格帯では音源本来の音を正確に表現しきれていない場合が多いためです。
もし本格的なものが欲しい場合、最低でも2万円台のモニターヘッドホンというものの購入を検討しましょう!
そのレベルの物を持ったことが無い場合、間違いなく世界が変わります!
ちなみにですが僕はSHUREのSRH840Aというモデルを愛用しています。ご参考までに。
3.音源ファイルを用意する
さて、ようやく耳コピに向かいましょう!
その際に必要なのが音源ファイルです。
実際にはスピーカーやイヤホンで聴く事さえできれば不可能ではないはずですが、この音源ファイルをデータとして持っておくことでこの後の作業が楽になります。
手順4からはこのデータがある前提となっていますので、是非なにかしら目標とする楽曲の音源をご用意くださいね。
またこの先の手順ではDAWを使用します。
「DAWがない!そもそも何なのかわからない!どう操作したらいいの?」
という方はこちらの記事を参考にしてみてください。
4.DAW上でベースを聴こえやすく加工する!
さて、遂にやってきました耳コピ!
ここからがこの記事の真骨頂!(?)
試しにDAWに取り込んだ音源を鳴らしてみましょう。
…そのまんまですね、当然です。
ここで一つ目の加工「トランスポーズ」!
これはオーディオデータの音程を変える加工です。ピッチ変更とも言いますね。
これでピッチを「+12」まで上げます。即ち1オクターブ。
Reaperの場合、オーディオデータを選んで Shift +10キー で半音ずつ(+1.00)上がっていきます。
全体の音程が上がってショリショリというか、軽くなりましたね。
そうするとその分、ベースラインの音程も上がるので、人間にとって聴き取りやすい音域に近づいて耳コピがしやすくなります。
でもキンキンするし結局ベースが目立たなくて分かり辛さは否めないですね…
そこで二つ目の加工「イコライジング」!
これはイコライザーというソフトや機材を用いて、音を周波数帯域ごとに持ち上げたりへこませたりします。
…今は難しいことを考えずに使ってみましょう!
Reaperには初期状態で既に「ReaEQ」というイコライザー(=EQ)がついています。
FXというボタンからトラックに追加しましょう。上記の耳コピ解説でも言及した、「シンセサイザーの入れ方」と同じ方法で入れられます。
何やらいっぱいありますね…
この中にある”VST:ReaEQ“をダブルクリックしてください。
するとこんなものが立ち上がったと思います。これがReaper純正のイコライザーです。
本来は多様で複雑な使い方があるのですが、今はベースを聴こえやすくするという目的のために必要な操作だけをお教えします。
グラフの右の方にある「④」をクリックしてください。
そしてその状態で、下半分の”Type:”という所をクリックします。
こんな感じのプルダウンが出てきたら、この中の”Low Pass”を選びます。
妙なカーブが付きました。
試しにこの状態で音声を鳴らしながら、下の”Frequency(Hz)”を動かしてみましょう。
音が明確に変わったのが分かりましたか!?
そう、これがEQで出来る機能の一つ「ローパス」というものです。
鳴っている音のうち、周波数の高い音を消し、周波数の低い音だけを通します。
低い音を通す=ローパス ということですね!
更に一番下のバー”Bandwidth(oct)”を下げていくと、こんな感じで山の無い滑らかなカーブに出来ます。
グラフの上下は「その帯域の音量の変化量」なので、山があればその部分が強調され、沈んでいる所は小さくなります。
これに関しては、どちらが聞きやすいかは音色や好みによるかもしれません。
ベースの特徴的な帯域を持ち上げる方が聞きやすい場合もあれば、変に加工されない方が聞きやすいこともあると思います。
バーを動かすだけで簡単に変えられるので色々試してみてください!
まとめ
以上、ベースラインを簡単にするテクニック・裏技でした!
手順的にはメロディの時から二つほど増えただけですが、こうやって「人間の耳に聞こえやすい形にする」というのはかなり有効だと思っていますので、是非お試しください!
おさらいすると
- 耳コピしやすいベースを探す
- 低音が聴こえる機器(イヤホンやスピーカーなど)を用意する
- 音源をファイルで用意する
- DAWで加工する
そして…DAW上でする事は
- 音源のオクターブを上げる
- EQを使いローパスで低音だけ聴こえるようにする
というものでした。
最初は聞き取る事さえ大変で中々に苦戦するとは思いますが、メロディの先、このベースまで聴こえるようになると、音楽も新たな世界が見えてきっと楽しくなるはずです!
皆さんもこの記事を参考にチャレンジしてみてください!
それではまた。