皆さんごきげんよう。IWOLIです。
初心セサイザーシリーズの第2弾!ということで今回は
シンセベース(Synth Bass)を作っていきます!
前回の曲中でも目立つSuper Sawとは打って変わり、
楽曲の土台を支えるまさに縁の下の力持ちなパートです。
低音を担当するため、あまり複雑な加工を必要とせず、
シンセ初心者でもとても作りやすい音色だと思います。
それでいてとにかく電子音楽に合う!カッコいい!
ということで早速作っていきましょう!
まだ基礎編をご覧になっていない方はこちらから!
シンセベースの基本
まずは基本的なシンセベースを作っていきましょう。
Vitalを立ち上げたら、そのままの”Init”か”Basic Shapes”からSaw波を選択。
そして、音色はそのままC1からC2辺りを鳴らしてみてください
ベースに限らず、「どのオクターブで鳴らすか」はとても大事なので要注意です!
恐らくこんな音が鳴るかと思います。
既に低ぅ~い音が鳴りますね!
実際にはこれらの間である、F1とかA1とかを使う事が多いかな?と思います。
これでシンセベースの完成でええええええs…
なんて言ったら色々問題がありそうなので…
ここからどんどんシンセベースらしい音に加工していきます!!
FILTERでベースらしく!
次はフィルターを使っていきます。
今のままでは、Saw波特有の倍音が全部鳴っている状態なので、
ベースというには高過ぎる音域が含まれてしまっています。
周波数分布を見てみても、高い所までガッツリ出ています。
これをFILTERで絞っていきます!
FILTER1を有効化しましょう。さっきのC1とC2を鳴らしながらCutoffを動かすと?
このように、高域がカットされることで
より落ち着いたベースらしい音色になりました。
Cutoffを自動で動かしてみてみましょう。(音程はF1を鳴らしています)
周波数分布をみると、Cutoffの移動に合わせ、高域が無くなっています。
また、FILTERの縦軸、Resonanceを変えてもまた違った音色になりますよ!
先ほど同様、F1を鳴らしながらResonanceとCutoffを変えてみます。
Resonanceを下げるとシンプルな低音になり、
Resonanceを上げると「ギュルギュルギュル…」というような、不思議なニュアンスがつきますね!
このようなサウンドの事を「アシッド」(Acid)と呼び、
ベースなら「アシッドベース」、リードなら「アシッドリード」なんて言ったりします。
そう思われた方も多いかと思います。
なんとこのAcidの由来は薬物であるLSDの俗称なんだそうです…
どうやら、ビンテージシンセの「ローランド・TB-303」でこういったResonanceを上げて作られた音が、
LSDでキマってる時の幻覚を思わせる幻想的な音だから、ということらしいです。
思う事は一つ。
何 故 知 っ て い る
ENVでアタック感を強調する
さてこれまでで、シンセベースはほとんど完成と言っても良いです。
ベースはお伝えしている通り低音を担当するので、
土台としてドッシリ構えてもらう必要があります。
そのため、Super Sawのようにデチューンを過度に広げたり、
リードのようにビブラートさせすぎたりすると、
土台がグラグラ揺れてしまって落ち着かない低音になってしまいます。
ですが、ベースとしての安定感を保ちつつ、
個性を出したり違いを付ける事はできます。
その一つがENV(エンベロープ)です!
Cutoffを動かす
まずは、先ほど使ったFILTERのCutoffをENV2で動かしてみましょう。
アサイン方法は、ENV 2のすぐ下の十字から、FILTERのCutoffまでドラッグアンドドロップでしたね。
アサインしたあとDECAYとSUSTAINを動かすと、
「ビュン…ビュン…」と、さっきまではなかった動きが生まれましたね!
「なんでENV1じゃダメなの?」と思われた方、思い出してください。
ENV1はすべてのOSCの音量(レベル)にアサインされているというのが仕様でした。
そのため、ENV1を他にもアサインすると、音量と一緒の動きしかできません。
今回はそれぞれ別で動かしたいので、CutoffはENV2を使いました。
音量も動かす
そして更に!今使わなかったENV1も弄っていきます!
こちらは音量を司るので、こちらのDECAYとSUSTAINを動かすだけで音量に変化がつきます。
さっきまでは、FILTERが閉じてからも低域で「ブオオオオ…」という音が鳴っていましたが、
ENV1で音量も下がっていくようにすることで、「ブンッ…ブンッ…」と、
キレのいいベースに変わりました。
※BPMを155に上げ、16分音符で連打しています。
「サイケデリックトランス」などで使われる「ローリングベース」というものですね。
有名どころだとダーリンダンスの柊マグネタイトさんRemixでも使われています。
1:25からの間奏が分かりやすいですね。
「ドゥン、ドゥン」という四つ打ちキックの間から、
「ンベベベッ、ンベベベッ」というベースが小刻みに聴こえてくるのが分かるでしょうか?
また、逆にATTACKを変える(遅らせる)のも一つの手ですね。
ATTACKを少しずつ大きくしてみます。
さっきまでとは真逆で、
「…ンンウウォォオオアアア、…ンンウウォォオオアアア」という、湧き上がってくるようなベースになりましたね。
キレはありませんが、この動きだからこそ出るグルーヴもあり、
エレクトロハウスのようなEDMでは好んで用いられます。
実際にはシンセではなく、エフェクト・DAWの設定で
「サイドチェイン」や「ダッキング」を用いてこのサウンドを再現することが多いと思います。
(今回はシンセの解説なので省きます)
ピッチすら動かす
最後にダメ押し!というかちょっと癖の強いテクニック!
さきほど、変に動かすと落ち着かないベースになると言いましたが、
アタック部分であれば問題ないことも多いです。
試しにENV3を使い、ピッチを動かしてみましょう。
最初は「変じゃね?」と思われたと思いますが、
SUSTAINをゼロ、DECAYを小さくすれば、
音の頭に「ドゥン!」という強めのアタックがつきました。
ベースに限らず、DECAYの短いENVでピッチを上から動かすと、
このようなアタックがついて目立たせることができます。
FILTERのCutoff・音量の場合はSUSTAINがゼロである必要性は必ずしもありませんが、
ピッチの場合、SUSTAINが上がっている分だけピッチが上がったままになってしまいます。
アタックの「ドゥン!」以外は元のピッチであってほしいため、
ここのSUSTAINはゼロにし、元通りになる様にしましょう。
まとめ
今回の音作りは以上です。
お疲れ様でした!
ひとことにシンセベースと言っても、音色は様々であり、
その曲で表現したいものによって全然違う音が使われます。
今回の内容を参考に、ENVのADSRや、アマウント量、
Cutoff・Resonanceの初期値、FILTERの種類、OSCの波形など
各パラメーターを変えていくだけでも無限に異なるサウンドが生み出せます。
逆に色んな曲で使われているベースを聴くのもとても効果的ですね。
特にエレクトリックな曲を得意とされている方の曲を聴いていくと良いかもしれません。
ボカロPで言えば、ピノキオPさん、柊マグネタイトさん、吉田夜世さんなどが、シンセベースを使いがちなイメージです。(例外を知らないだけかもしれませんが…)
「ベースなんて聞き取れないよ!」という方は、以下の記事で聴き取りやすくする方法を紹介していますのでご参考にどうぞ!
それでは、オヤカマッサン~(さようなら)
次は何を作ろうかな。
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