皆さんごきげんよう。IWOLIです。
初心セサイザーシリーズの第5弾、
今回はシンセでプラック(Pluck)を作ります。
「プラック」とは「摘む」とか、「爪弾く」という意味。
即ち弦を指先で弾いたような、「ポンッ」って感じの音です。
目立たず長引かないけど粒だっていて、楽曲を彩るのに欠かせない音色です。
またこれまでの講座と合わせてご覧いただければ、
シンセの基本的な使い方はおおむねマスターしたと言えるでしょう!
是非、ものにしていってください!
Contents
プラックの原型
例によって今回も基本音色を作っていきましょう。
今作ろうとしているのは、「弦を爪弾く様な音」ですね?
となるとその音は、「鳴り始めが一番音量が大きく、
すぐに小さくなっていく音」ということです。
音量が減衰していくと言えば?もうお馴染みですね!
ENV 1で音量を変えていきましょう!
波形はどれでも良いんですが、
今回は”Classic Fade”のSaw波を使ってみましょうか。
①波形を選択
※完全なSaw波の位置は「81」の様です、中途半端ですね。
②ENVでプラックらしく
これでいつも通り「プラックの原型」が出来ました。
ここから更にプラックらしくしていきますよ~!
あの手この手で理想のプラックにする!
さてこの原型をひたすら弄り倒します!
まずは~…やっぱりデチューンから行きましょうか。
デチューンで広げる
ということでデチューン関連のパラメーターを変えます。
一口にプラックと言っても実用例は様々なので、
ここのボイス数や幅(レンジ)もかなり自由度は高いです。
広げて空間を埋めたいのか、単音で刻みたいのかなど、
目的に沿った音を作っていきましょう!
FILTERで絞る
更にいつもの事ですがFILTERで倍音を削ります。
もちろんここもかなり自由です。
Cutoffの位置も、ENVでの動かし方も、
またENVの1か2のどちらを使うかなど、
自由過ぎてややこしい所でもありますが、イメージ通りの音を探っていきましょう!
KEY TRKを忘れないで!
FILTERの右下にある”KEY TRK”というツマミ。
これは「押したキーにCutoffが追従する度合い」です。
一見地味に見えますが、これが無効な場合、
低い音と高い音で音色が変わってしまいます。
例えば幅広い音域でコードやアルペジオを奏でたい場合、
音色を変えたくないならこの”KEY TRK”を上げるのをお忘れなく!
べ、別に今まで忘れてたわけじゃないんだからねっ!
波形を変える
また波形を変えるのも有効です。
プラックの場合はアタックがとてもはっきりしているので、
倍音が少ない音でも意外と仕事が出来たりもしますからね。
色々変えてみましょう。
倍音の無いサイン波でも、意外とイイカンジでしょう?
ただし!当然ながら倍音が少ないと、曲全体ではとても聴こえにくい事に注意です!
さらにサイン波では倍音が無いため、FILTERがほぼ機能しないことも頭に入れておきましょう。
上級者テク:FMで唯一無二のサウンド!
ここでちょっと難易度の高いテクニックをご紹介!
今まで全く触れてこなかった、OSCの右のつまみ、
この内、一番右のを使ってみます!
名を”Wave Morph”となむ言いける。
下で指定したモードに従って、波形そのものをモーフィング、
即ち変形させる機能です。
こういった機能はシンセの個性が現れる部分でもあり、
他にない変形・加工機能を搭載していることも多いですが、
今回はVitalに限らず幅広く採用されている方式、
「FM合成」の片鱗をお見せします!
手順①:OSC 1/OSC 2をサイン波にする
まず二つのOSCでサイン波を選択します。
今まであまり日の目を見なかった波形ですが、
FM合成となれば彼らの土俵です!
手順②:パラメーターの微調整
そうしたら、OSC 2のLEVELを0まで下げ、
PHASEの右側の100%という数値も0まで下げてしまいます。
わざわざこんなことをするのにも理由はあるのですが、ややこしいので後回し!
手順③:FM、オン!
いよいよFMを付けますよ!
Wave Morphのリストから、
”FM <- Osc 2”というのを選びましょう!
来ました!
この不思議なサウンドこそがFMの音です!
こちらは特殊な波形の合成を行う事で、
単純な整数倍音を含んだSaw波や矩形波、或いは
それらの減算では生み出せない独特な音色を生みだせます!
“Phase Modulation”(フェイズ モジュレーション)と呼ぶのが正しいらしいです。
たまにその違いに言及しているのを見かけますが、
ほとんどの人がこの合成(変調)方式のことを「FM」と呼んでいるため、この記事でもそちらに倣いました。
ただし、この合成方式はとても奥が深すぎる沼です。
簡単にとっちらかってあらぬ音になってしまうリスクをはらんでいるのが、上級者向けとした理由です。
減算に慣れ、「もう一工夫、違った味わいが欲しい!」という時、ちょっとずつ挑戦してみましょう!
まとめ
今回の講座は以上です。
お疲れ様でした!
プラック編はなんだかあっさりになってしまいましたね。
そしてこれまでの5回の記事を通して、
シンセで作れる基本的な音色は概ねマスターと言えます。
とはいっても、まだまだ出来る事はたくさんあります!
今後は、これまでの講座で拾い切れなかったVitalの豊富な機能達の解説や、
有名曲で耳を惹く「あの音」の再現、
また、これまで解説した知識を「他のシンセ」に活かす方法などを解説していく予定です!
お楽しみにっ!
では、オヤカマッサン~
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