ボカロ曲で学ぶ音楽理論-リズム編04:三連符の話 ~”ダーリンダンス”の巻

皆さんごきげんよう。IWOLIです。

ボカロ曲で学ぶ音楽理論シリーズ

今回はリズム編の第4弾です。

前回は初めて1小節の等分でない、付点について解説しましたが、

今回は更に変則的なリズム、

三連符などの連符について解説します!

こちらは付点音符・単純音符にもない、結構特殊なリズムを生むものです。

あまり連発出来る物ではありませんが、上手く活かすと楽曲の雰囲気がガラリと変わる、

リズムのスパイスとして欠かせない存在!

特殊なグルーヴで踊っちゃいましょう!

参考曲は今回もかいりきベアさんから、「ダーリンダンス」です。

それではいきましょう!

ダーリンダンスのリズム

今回はAメロでもサビでもなく、Bメロのリズムです。

0:48辺りからがBメロです。

ここは普通に聴いていてもハッとさせられたのではないでしょうか?

直前の「踊れ踊れ亡霊だ」までと、

「なにもない なにもない」からで、大きくリズムが変わっています。

ここについて解説していきますね!

ダーリンダンスをリズムだけで考える

今回もいつも通り、メロディをリズムだけで見ていきます。

この曲のBメロは2小節分のリズムをシンプルに繰り返しているので、

今回も2小節に絞って考えます。

耳コピしたのがこちら。

ここのMIDIデータがこちら。

更にピッチが一定のクラップを鳴らしたもの。

MIDIはこんな感じです。

これを見て、今までと明確に違うのがどこか、わかりますか?

そう、音符が1拍の中で3回鳴っています。

今までは1拍(4分音符1個分)を半分にした8分音符か、

更に半分にした16分音符、もしくは

8分音符と16分音符を足した長さを扱ってきました。

しかし、ダーリンダンスのBメロでは、2分の1でも4分の1でもない、

3分の1というリズムが使われています。

これが今回のテーマ、三連符です。

付点でも表現できない、連符のリズム

詳しく三連符の特徴を見ていきましょう。

まず、現在の表示では、

このように、線の位置と音符の切れ目は一致しています。

これはDAWの表示設定でグリッド線を三連符に合わせているためです。

試しにこれを前回までのような表示にしてみましょう。

Studio oneの場合、「クオンタイズ」をクリックするとグリッドの間隔を変えられます。

ここで「1/16」を選択すると?

この通り、音符の切れ目とグリッド線がズレています。

さらにそのズレも、丁度真ん中とかではなく3分の1辺りの微妙な位置です。

まあ4分の1と3分の1なので当然ではありますね。

こんな感じで今までの偶数で割った物ではないため、

このリズムは偶数で割った、付点音符や単純音符では出せません。

試しに16分音符と8分音符で打ってみましょうか。

まず三連符そのままと、4分音符のキックを合わせた物。

原曲通りですね。

次に、16分と8分を組み合わせた物。

なんか全然違うものになりましたね。

試しに8分を入れる場所を変えてみましょうか。

これも、原曲とは全然雰囲気が違いますね。マーチングみたいでかっこいいけど

やはり、3つの音符が1拍(4分音符1個分)の中で等間隔に配置されているというのは、

他で表せないリズムを生みます。

色んな三連符の実用例を聴いてみよう!

三連符は大きくリズムが変わるため、

スピード感を変えたい時や、丁度いい感じに歌詞を詰め込みたい時など、

様々な局面で使われます。

例えば(例としては最悪かもしれませんが…)この曲のこの部分!

いやマジで速過ぎるな…

かなり速いため解読困難ではありますが、

「だけどそれも無くし気づく」辺りからリズム隊が入り分かりやすいかもしれません。

「ドン、ドン、ドン、ドン、」というリズムで刻むと、

「だけど」「それも」「無くし」「気づく」と三つずつに分かれています。

解読困難だったという方、歌詞を3文字ずつに分けると歌えるかもしれませんよ?(なお呼吸)

 

またボカロではありませんがこちらも三連符主体のパートがあります。

いやこっちの方が分かりにくいかも…

「学歴もない 前科も無い 余裕で」などのリズムにおいて、

歴も」「ゼン科も(「ゼカモ」に近い)」「余ユゥで(「ヨユデ」に近い)」と、

発音を端折りつつ、三連符で等間隔のリズムを主体に歌っています。

おまけ:3つだけではない連符

おまけとしてこちらは結構レアケースではありますが、

連符は三連符だけではないという話を補足します。

先ほど見せたStudio oneの画面でも、色んな種類がありますね。

「T」というのは「Triplet」、即ち三連符です。

その右にある「5:4」は五連符、左下の「7:8」は七連符です。

聴き比べてみましょう。(速過ぎるのでBPMを落とします)

まず三連符から。

次に五連符。

最後に七連符!

この辺りは速過ぎてよくわからないので、実際には

2拍分を5等分、7等分する連符」の方が使われがちとは思いますが、

リズムに一癖付けるために差し込まれることがあります。

「こんなんどこに使うねん」って思いますよね。

こ こ だ よ

ふざけるのも大概にしてくれ

でも七連符使ってないんですねこれ、もはやそれもどうでもよくなるぶっ壊れ具合ですが。

くれぐれも皆さんはもうちょっと分かりやすいリズムをお使いください(懇願)

まとめ

色んな意味でお疲れ様でした!

今回はダーリンダンスを始め幾つかの楽曲から、

連符というものについて解説しました。

スピード感を大きく変える効果を持つこの連符。

慣れないと掴みにくい所もありますが、

これを活かせると凄く効果的な展開が生み出せます!

いろんな曲を聴いて会得していきましょ~!

それでは、オヤカマッサン~

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