EUROBEAT最高!!!押忍!!!
失礼、かみまみた。
ということで皆さんごきげんよう。IWOLIです。
皆さんはユーロビートはお好きですか?
好きな人もそうでない人も、何故か名前だけは生きているうちに勝手に耳に入るジャンル名、EUROBEAT。
(そのせいで好かれもするし目くじらも立てられるのでしょうが)
そんなイメージをお持ちの方が恐らく多いと思います。
或いは「頭文字Dで散々流れるやつ」といったところでしょうか。
ですが、それ以上の特徴というと少し説明が難しいように思います。
音楽ジャンルでよく耳にする、ロックやジャズ、オーケストラなんかはかなり分かりやすいですよね。
例えば「ギターとエレキベースとドラムス」とか、「弦楽器と金管と木管と…」とか、
ジャンルに楽器などによる明確な定義があれば、区別は容易です。
一方のユーロビートは、いろんな共通点こそあれど、他のジャンルにも共通してしまう所もあったりするのが区別を難しくしているのかな?と思います。
あとは、こういった電子音楽では他のジャンル名の認知があまり広まっていないというのも原因かもしれません。
なので今回は、ユーロビートがユーロビートたる所以と、逆に他のジャンルと違う所を、曲の構成要素から解説していこうと思います!
かなり幅の広い話なので、全貌は網羅しきれていないかもしれませんが、大まかな傾向をお伝えできればなと思います。
それでは行きましょう!
テンポ・リズム
まずは楽曲の特徴として分かりやすい、テンポ・リズムに関する特徴です。
テンポ
テンポの特徴ですが、多くの方はこんな感じの曲を想像されるのではないでしょうか?
こんな感じというか選曲がベタ過ぎる…
この曲はBPM155、割と速めですね。
こういう速度感で疾走感あふれる物をイメージされがちかなと思うのですが、
実際にはもっと遅いユーロビートも沢山あります。
例えばこの曲
BPMは120か121と言ったところでしょうか。
かなり曲調に差があり、人によっては「これは違うんじゃない?」と思われるかもしれませんが、
こういった方向性で作られたユーロビートも多数存在します。
ただ単純に、アップテンポな方がノリやすく脚光を浴びやすい傾向にあるのかな?というのが率直な感想です。
僕もアップテンポな方が多く知ってます。(まだにわかですが…)
こういったことを踏まえると、テンポ面でのユーロビートの特徴とは
BPMが120~160くらい
ということになるかな?と思います。
あくまでこれも目安であり、これを下回るものも上回るものもありますが、特によく聞かれるものは140~160に収まっている気もします。
リズム
続いてリズム面です。
こちらはかなりシンプルに4つ打ちで展開する、というのが大きな特徴でしょう。
「ドン、ドン、ドン、ドン」とキックが常に等間隔で鳴る曲ですね。
サビなどの目立つパートに限らず、曲全体を通してリズムのモチーフが変わらず、4つ打ちが続く傾向が強い気がします。
とはいえ例外も存在します。例えばこちら
そもそもが全く別ジャンル(おそらくJersey Club)のリミックスだからというのもあるでしょうが…
大きくリズムが変わるパートがあったり、フレーズの切れ目にフィルとして細かいキックの連打があったりと、変化が多めになっています。
とはいえどやはり、サビやリフのリズムはほぼすべて4つ打ちで通していますね。
とにかくまとめると、ユーロビートのテンポ・リズムにおける特徴は
・BPM:120~160
・4つ打ちメイン
という2点になると思います。
楽器構成
さて次は楽器構成です。
ここが一番重要なユーロビートをユーロビートたらしめるものになってきます。
楽器面の特徴は何と言ってもイントロからAメロのボーカルまでの間で燦然と輝くシンセパート、シンセリフの存在です。
先ほどのNight of Fireでいう所の0:41辺りですね!
やはりコイツ無しでユーロビートと認めるのは難しいのではないでしょうか?
パラパラジャカジャカとやかましいくらいになっているイメージがやはりあると思います。
ですが!
そんなシンセリフ、ユーロリフなんて言ったりもしますが、
こちらにも種類があります!
僕は大きく2種類に分けられると思っています。それは
- シンセブラス
- シンセベル
に分けています。
シンセブラス
一つ目のシンセブラス、このブラスとは金管楽器全般を表しています。
まさにトランペットなどの楽器を電子的に再現したようなド派手な音ですね!
また鳴り始めから終わりまでほぼ一定の音量であることも特徴です。
こちらはこの曲が典型的なのではないでしょうか?
\パァーン!!/
と突き抜ける音が気持ちいいですねー!
この曲は特に1音が鳴る時間が長めなので特にブラスらしいと思います。
一方でこういったパターンも多いですね。
先ほどのDEJA VUに比べると「バラララララッ」と細かく刻まれた音が多いですが、はっきりした音が一定の音量で鳴るのでこれもシンセブラスでしょう。
シンセベル
さて、もう一つのシンセベルですが、こちらをお聞きください。
これまでの曲と比べ、リフの派手さが抑えられているのが分かりましたか?
ユーロビートではあるけどいくらか大人しく、綺麗さが重視されています。
ここで使われているのがシンセベル寄りの音色です。
特徴の一つは発音直後から音量が下がっていく音であることです。
ピアノとも近いですが(この曲はピアノも鳴ってますし…)こんなシンセの音色をベルに例えています。
鳴り方に加えて、高音が煌びやかで「シャラララ~ン…」と響き渡るような印象もありますね。
その特性上、余韻を残し聴き入らせることが効果的でもあるため、必然的にシンセブラスほど連発されない使われ方をしがちです。
世のユーロビートリミックスを聴いていると高確率で前者の派手なシンセブラスを耳にする気がしますが、実際にユーロビートと呼ばれるのはこの2種類があるかな?と思います。
一方で、このシンセリフ以外に関しては結構自由度が高めともいえるかもしれません。
ある曲はギターで派手にし、ある曲はピアノを使いエモい感じに、またある曲はクワイアやオルガンで荘厳にしていたりします。
ドラム・パーカッションの音色なども細かい特徴こそあれど、それが違うからユーロビートじゃなくなる、ということはないのかな?と思います。
派生元ジャンルから見る特徴
さてここからは補足のようなものですが、ユーロビートの起源、派生元や似たジャンルのお話です。
ユーロビートが何故今のような形をしているのか、これをルーツから紐解けば、何をもってしてユーロビートと言えるのかもわかりやすくなると思います。
まず他のジャンルがそうであったように、ユーロビートという音楽にもそれが生まれた元のジャンルがあります。
それが、ヨーロッパで1970~1980年代に流行していたジャンルたち、
Hi-NRG、イタロ・ディスコ、ユーロ・ディスコです。
例えばこんな曲。
こちらはイタロディスコ。ユーロビートからすると生楽器などが多くオールドスクールな印象ですね。
こちらはHi-NRGのノンストップミックスです。よりシンセ感の多さやベースの動きなどがユーロビートっぽい感じがしますね。
また親戚のようなジャンルも見てみましょう。
こちらはシカゴハウスと言われるジャンルです。
先ほどのイタロディスコの元であるディスコから派生したハウスという音楽ジャンルの起源と言える存在ですね。
それ故かやはりイタロディスコとかなり近い構造ではあります。
またこういった曲も近いですね。
ハイパーテクノ。これはあくまで日本での呼称で、海外ではRave(レイヴ)とかハードコアレイヴと言ったりするそうです。
ユーロビートとも結構混同してしまいそうになりますが、もう少し無機質であったりアタックの強いオーケストラヒット(オケヒ)と呼ばれる音が多いなどの特徴があります。
一方で逆にユーロビートではない曲もいくつか紹介しておきます。
差を知っておくって大事なのでね…
例えばこのあたり
4つ打ちだし派手なシンセあるしBPMも近いしと、今まで挙げた特徴だけで考えるとユーロビートに当てはまってしまうのですが、何か違うものを感じるのではないでしょうか?
こちらはHanz Upと言うTranceの一つですね。
キックやベースが特に太いことや、煌びやかなシンセが空間を跳ね回るような、陶酔感(=Trance)が特徴なのがTranceと呼ばれるジャンルです。
もう二つほど例をご紹介します。
こちらは同じくHanz Upでしょうね。空間の幅広さを感じられますか?
こちらは有る意味とても日本らしい変則的な曲ですね。Hanz Upの要素もありますが途中で全然違う要素が入ったり、終盤ではまた別のHardStyleというジャンルの要素が見られます。
…と、かなりユーロビートから逸れてしまいました。
正直な所、初めて聞いたジャンルの場合ですと数曲聴いただけでは特徴は掴みづらいと思います。
それでも、一つのジャンルしか知らないと何曲も聞いてもそのジャンルの特徴というのは中々理解しきれないものだと思います。
この章での紹介が、回り回ってユーロビートを理解する支えになれればと…
まとめ
さてかなり脱線もありましたが、ユーロビートの特徴についてお話ししてきました。
まとめると主に以下のような感じです。
- BPM120~160くらいの4つ打ちである
- シンセブラスやシンセベルによる派手なリフがある
- Hi-NRGやイタロディスコなどをルーツとする
またTranceのような空間や陶酔感は少なくアゲアゲな曲調にもなってましたね。
と、ここまで語ってきましたが、残念ながら音楽ジャンルとは曖昧かつ流動的なもので、
という暴論が通ってしまうのも事実なんですよね…
なので身も蓋もないのですが、結局は作者がユーロビートとして作ったかどうか次第という面もあると思います。
それでも、今回挙げた特徴などを元に曲を聴いてみれば、今まで聴いていた曲も特徴を細分化して「もしかしてこれもユーロビートかな?」と判断がしやすくなると思います。
また、逆にこれからユーロビートの曲を聴いていくと
「ユーロビートっぽいとは何か」
というのが分かってくるかもしれません。
是非とも、今回の記事を参考に色々聞いてみてくださいね!
それではまた