Hardcore!タノシー!!!!
失礼、発作です。
皆さんごきげんよう。IWOLIです。
Hardcore(ハードコア)といえば、貴方は何を思い浮かべますか?
一般的な慣用句とあって、使われる場面は様々あります。
この記事ではその中でも、電子音楽のジャンルの一つ、
Hardcore Techno(ハードコア・テクノ)というジャンルについて解説します。
おびただしい数が作られており、日本のオタクにも大人気のHardcore。(僕も大好き)
その名前の由来や定義、またどんなスタイルがあるのかを簡単にまとめていきます。
初めて聴くという方にも、よく聴くという方にも、新たな発見をしていただけたら嬉しいです。
それではいざ!Hardcore!
Contents
Hardcoreという名前と定義
まず初めに、Hardcoreと聴いてもピンとこない方のために
Hardcoreの一例をご紹介します。
例えばこの曲!
ベタかもだけどやっぱカッコいい!
こんな感じのめっちゃ速くてめっちゃ激しい曲がHardcoreです。
とはいえこちらも一例にすぎず、実は物凄く曲調に幅があるジャンルでもあります。
そういった所についても解説していきますね!
ジャンル名の由来
いきなり小難しい感がありますが、結構気になる方も多いのではないでしょうか?
Hardcore
この言葉が、何故「速い4つ打ち」を表すのか…
Hard:難しい・硬い
Core:中核
という知識からは「Hardcore=硬い中核」という意味にしか取れませんよね。
実はHardcoreには「中核・筋金入りの」と言った、Coreを強調した意味があるようです。
と言ってもまだ速いという意味には程遠いですね。
どうやらこの速いという意味には、全く別の音楽ジャンル、
Hardcore Punk
の存在が関わったようです。
パンクロックの中でも、「本来のパンクさ」を強調した、速くて激しいジャンルを、
Hardcore Punkと呼んだそうです。
そう、この影響で
Hard:激しい
Core:速い
というイメージにつながったということなんです!言葉は生き物
Hardcore Technoという名前でも、本来のTechno感は薄いし中核という感じもしませんが、
既にHardcoreといえば速くて激しいというイメージがあったので、
加速され音も強化されたTechnoの事をHardcoreと呼んだということですね。
実際に「テクノ」というジャンル名は、広義の電子音楽を意味する傾向もありますが、定義はとても曖昧です。
そして狭義の「テクノ」は上記したような無機質でミニマルなものを表します。
ややこしいので僕は「Techno」という言葉は狭義でしか使わないようにしています。
Hardcoreの発祥と変遷
さてこのHardcoreというジャンル、
先ほど紹介したTechnoとはあまりに雰囲気がかけ離れていますが、
なぜこんな風になったのか?
そもそもこれらは繋がっているのか?
と思うでしょう。そこを紐解いていきます。
Hardcore Techno 爆誕
この手の話をする際にほぼ確実に話題に上がるのがこちらです。
似た記事を見たことある方は「またこれかよ」と思うかもしれません。
しかし、語らざるを得ないのです!
聴いていただくと、
BPMはTechnoとHardcoreの間くらい
やかましいくらい激しいキックやハイハット
という特徴が挙げられます。
当時を知らないので詳しくは語れないのですが
こちらが1990年に現れたことで、速くて激しいTechno
Hardcore Technoが誕生したそうです。
まだ最初に紹介した曲調には遠いですが、
ここから、加速したり激しさを増したり音数を増やしたりすることで、
“Hardcore”は段々と現在の形に変わっていきます。
Gabba へ発展
Hardcore Technoから、界隈は更に激しくなっていきます。
Gabba(ガバ)の発生です。
特に顕著なのが、強烈に歪ませたキック、ガバキックです。(そのまんま)
加えてこの時点でBPMがうなぎ登り、BPMは200を突破する事も珍しくありません。
例としてはこの曲がわかりやすいでしょうか。
BPMがかなり上がった事に加え、1:57辺りから鳴り始める
「ブウウウウーン↓」という音が特徴的ですね。
この音がガバキックです。(ディストーションキックとも)
これが2:37辺りのように高速で連発される、ひたすらやかましく進化したのが
Gabba(ガバ)です!(Gabberとも)
BPMも上がり、冒頭の曲にもかなり近づいてきましたね!
ここからはガバキックがもっと洗練されていったり、
或いは逆に激しさは抑え、明るさや綺麗さ、エモさなどを強調したりと、
様々な方向へ派生していきます。
次はそんな、Hardcoreのサブジャンルを、いくつか簡単にご紹介します!
Hardcoreのサブジャンル
おまたせいたしました!
タノシータノシーサブジャンル紹介のコーナーです!!!
とはいっても先ほど話したように、Hardcoreには様々なスタイルがあります。
全部紹介など目が回るどころじゃないので、今回はかなりざっくりと3つに分類して紹介します。
まずはキャッチーな物から!
メロディック・エモい・キャッチーなHardcore!
一つ目のスタイルは、煌びやかなリードメロディ、明るいバッキングや
哀愁・エモさを感じさせるコードなどを強調した、親しみやすいジャンルです。
こちらは、UK Hardcoreと呼ばれるジャンルが包括しているような印象です。
例えばこの曲!
aranさんだいしゅき…
冒頭の最強STRONGERとも、綺麗なメロディなど共通する部分がありますね。
キックはあまり歪ませず、トランスなど他ジャンルの要素をとにかく取り込みまくり派生していったようです。
その過程、過渡期に生まれたジャンルや、スタイルの分化などあって様々な形態があります。
Happy Hardcore・Trancecore・Makinaなどですね。
名前の由来であるイギリスの他、聴いての通りポップでキャッチーなものを好む日本人にもとても聴きなじみが良く、この辺りでは特に人気のある主流ジャンルと言えます。
更に日本人が好むような要素を取り入れ進化させた形、”J-Core”という派生ジャンルも存在します。
詳しくはこちらで語っていますので是非!
バキバキゴリゴリ!抉るような喧しいHardcore!
二つ目はさっきとは真逆!
エモい要素など彼方に葬り去ってひたすら激しい音で畳みかけるジャンルです。
Hardcore Technoが激しさを強調して生まれた事もあってか、世界的にHardcore全体でみるとこちらのスタイルが中心と認識されがちなようです。まさにHardcoreのHardcore(中核)
そのためか、“Mainstream Hardcore”(メインストリームハードコア=主流のハードコア)という言葉で語られるスタイルはこれに属している場合が多い気がします。
UK Hardcoreも主流だと思うんですけど…
例えばこちら
この辺からまとめまで音量注意です!
\ハァーイ、調子良い?/
ネタ感も強いですが怪異という意味ではこのえげつないサウンドはまさにって感じです。
1:57辺りを聴くと、先ほど紹介した”Gabba”のArmy of hardcoreと比べて
激しさこそ近いものの、テンポが若干落ちた上に三連符が強調され、
”ドンガ!ドンガ!”
というリズムのイメージがありますね。盆踊りっぽくもある、テンケテンケ
更にキックの音色も、”ブウウウン”というイメージよりも
”ゴォン!ゴォン!”という方がしっくりくるかもしれません。
この傾向がトレンドでもあり、進化の結果です。
特にキックに関しては各アーティストが凌ぎを削っており、
かつてより複雑な処理をすることでこの独特な質感、
コォン!というアタック感と轟く極低音を生み出し、観客を踊らせます。踊らにゃ損損
またBPMに関しては、Pennywiseのようなちょっと遅め(と言ってもBPM180なので遅くもなんともない速さですが)
かつ三連符で、比較的無理なく踊りやすいものと、
逆にハイスピードを維持、または加速したものがあります。
ただ、どちらも現在はあまりGabbaと呼ばれている印象はなく感じます。
さしずめ欧米などではこのスタイルが主流で、
似たスタイルをまとめてMainstream Hardcoreと呼ぶ流れから、わざわざサブジャンル名で分ける必要がないコミュニティなのかな?と勝手ですが解釈しています。
更なるサブジャンルの紹介はこちらで!
更に加速したものは次のチャプターで!
人類には速過ぎた…BPM200越えの超スピードHardcore!
最後に紹介するのは、あまりにも速過ぎるHardcoreたち!
速いと言えばまずこれ!
見える見える…
知ってる人「 知 っ て た 」
知らない人「この…なにこれ?」
ってなってる未来が…
はい、狂気も良いとこですね。もはや凶器。
こちらは高速ジャンルの定番、
Speedcoreの日本代表的な曲です。そう日本人の曲なんです驚きですよね。
特徴は何と言ってもその速さ!BPMの最低値が200とされ、
基本は250とか300以上で作られる狂気と暴力の世界です。
そのついて行けなさから音ゲーでの高難易度採用例も多い。ガッデム。
ただのBPM300でなく、それを倍速で鳴らしてBPM600とかいう水掛け論も平気で行われる世界です。
ただこちらは先ほどのPennywiseの紹介で話したものという訳ではなく、
Mainstream Hardcoreとしての加速したものは、また別の
Uptempo Hardcoreと言われるようです。
いっしょやんけ!
僕も最初そう思いました。
ただ例を聴いているとそうでもないのかな?という感じがしてきています。
こちらはUptempoと、同様に高速なFrenchcoreというジャンルを交互に比較するものです。
これを聴くと、Uptempoの場合Speedcoreのような倍取りはなく、
特有の癖があるキックのテール部分を聴かせるために曲全体が構成されているような印象があります。
ここまでで「このスピード誰がついていけるんや」と思われたかもしれません。
そう、そうなのです…
誰も、4桁以上のBPMについていけるはず等ないのです…
更に詳しくはこちらで語っております!爆音注意!!
まとめ
お疲れ様でした。鼓膜はご無事ですか?
人によっては途中から良さが分からないor何を聴けばいいの?状態だったと思います。
現在の電子音楽は基本的に、
踊るための低音を聴く音楽
という役割を担う事が基本になっていますが、
そもそも低音を楽しむという事に日本のポップ層は慣れていないと思われるので無理もないでしょう。
一方で序盤に紹介したUK Hardcoreは結構馴染みやすかったと思います。
それにしても、元は同じTechnoだったものが、こんなにも幅広くなるって不思議じゃないですか?
その多様さから、アップテンポでイケイケなものが好きならどこかで刺さりやすいのがHardcoreだと思います。
日本はアニメやJ-POPなどでアップテンポな曲が注目されやすい気がするので、そこに人気の理由があるのかもしれません。
高速なアゲアゲ感は共通しているので、
サブジャンルを変えたり、環境を変えたりすると新たな発見や出会いがあってまた違った楽しみ方が出来るかもしれません!
是非色々Digってみてくださいね!
それではまた~
アーティストが、UK HardcoreメインのREDALiCEさんと、FrenchcoreメインのUSAOさんによるタッグなのもあり、
この場合はUK HardcoreとFrenchcoreの融合、と呼ぶのがよさそうです。
先ほど紹介したUK Hardcoreに対し、
FrenchcoreはBPM200前後かつ
”ドゥン ベー ドゥン ベー”という特有のFrenchcoreキックベースという低音が使われます。
このジャンルを聴き慣れていない方には差が分かりにくいかもしれませんが、
この低音とBPMでFrenchcoreは区別され、
同時にFrenchcoreにしては複雑な曲展開がUK Hardcore(もしくはJ-Core)の要素を含んでいると考えられます。
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