EUROBEATの作り方02 超簡単!ユーロビート用シンセブラスの音作り

皆さんごきげんよう、IWOLIです。

今回はユーロビートの中でも最も重要かつ特殊な音、

シンセブラスの作り方を解説します。

ユーロビートを彩るド派手なシンセブラスのリフはやはり花形!

他のジャンルでは中々聴けないのもあって難しく感じてしまいがちですが、

そんなシンセブラスを一瞬で作ってしまうショート動画を投稿しました。

今回はこちらをもっと深掘りし、詳細な作り方やコツ、

個性を出すポイントなどをご紹介します!

今回使用したメロディとMIDI

まず、音作りの話をしておいてなんですが、

ユーロビートのリフではそもそものメロディもかなり重要です。

今回作ったのはこんな感じ。

特にブラスを使ったリフは16分音符を連打する結構複雑な事が多く、

それっぽいのを作るのは結構難しかったりします…

なので今回作ったリフのMIDIデータをこちらで配布します!

この後の音作りの参考にお役立てください!

もちろん自作や、練習なら既存曲のコピーでも大丈夫ですよ!

手順①ボイスを増やしてデチューン

では早速音作りに入りましょう。

最初はこのプレーンなSaw波の鳴っているOSC1の音を、

Unison Voices(ボイス数)を上げデチューンした音、

Super Saw(スーパーソウ)にします。

今回はマックスの“16v”としましたが、

動画の通り10v以上は大きな差もないかな?とは思います。

お好みで大丈夫ですが多めの方がゴージャスになります。

手順②ENV 2でデチューンの幅を動かす

手順②ではこのSuper Sawのデチューン幅、

“Unison Detune”を動かします。

ここがユーロビート用ブラスの決め手

一気にユーロビートへ雰囲気を寄せていきましょう!

今回はENV 2を使ってUnison Detuneを動かします。

ENV 2をUnison Detuneにアサイン

エンベロープなどのモジュレーションアサインの方法は、

十字みたいな所からドラッグ&ドロップです。

なんか不快な音になってしまいましたね…

ですが大丈夫、これはENV 2のSUSTAINがマックスなせいで、

Unison Detuneが目いっぱいまで広がってしまったのが原因です。

ということは?やる事は簡単です!

ENV 2のADSRを編集する

ENV 2のSUSTAINが高いのが原因なら、それを下げることで、

鳴り始めから少しずつデチューン幅が減っていくにできます。

ついでに、DECAYも短くすることで切り立った音にして、

キレよく「パァーン!」と鳴る音にしましょう!

SUSTAINを下げると、時間をかけてデチューン幅が減る音になりますが、

このリフは各音が短いため違いはあまり感じられません。

ですがそこからDECAYを下げることで、

デチューン幅が戻るまでの時間が短くなり、キレの良い音になります。

ただしDECAYは下げ過ぎると、折角のENV 2の恩恵が聴こえなくなるため、やり過ぎは禁物です。

ENV 2を使った理由

今回はENV 2を使いましたが、ENV 3以降なら問題ない一方で、

ENV 1ではこの音は作れなくなってしまいます

理由はENV 1がデフォルトで音量を動かしているためです。

試しに同じことをENV 1でやってしまうと…

このように、ENVによるデチューン幅の動きを変えようとすると、

同時に音量の動きまで変わってしまいます。

音量と同時に動かしたくないものは、ENV 1以外を使いましょう。

LFOは一応使える

一方のLFOなら、動画の様に設定する事で一応似た音を作る事は出来ます。

ただし見ての通り手順も多くなる上に、

そもそもENVで済むのでLFOでやる必要はないと思います。

手順③デチューン幅の基準を狭める

シンセブラスの基礎、最後の仕上げとして、

Unison Detuneの元の値、基準値を決めて芯のある音にしましょう。

今のままでも問題は無いですが、デチューン幅が下がっても20%と、

結構広がった音になっているので、これを狭めます。

これは簡単ですね。Unison Detuneを下にドラッグするだけです。

今回は5%まで下げました。

あまり下げ過ぎるとデチューンの旨みが無くなってしまいますのでこれもほどほどに。

これにてシンセブラスの基本サウンド完成です!

バリエーションを出す!

最後におまけとして加工アレンジバリエーション

応用テクニックを幾つか紹介します。

エフェクト

一つ目は地味ですが結構大事だと思っているエフェクトでの処理です。

まずはコンプレッサーを掛けていきます。

大きな差は感じづらいと思いますが、結構聴いてきます。

特にシンセブラスはつんざくような音なので、アタックでピークに付きやすかったり、

そのままではちょっと扱いづらい事もあります。

この手の音は僕は大体コンプを掛けてアタックをいくらか均す様にしています。

お次にEQで不要な部分を削っておきましょう。

コンプによって余計な低音が持ち上がってしまうなど、

要らない音が含まれていたためそれを削ります。

アナライザーの山を見ながら、必要な音まで削らない様に気を付けましょう。

最後に空間系、Delay/Reverbを加えます。

ただしこの音はあくまでリード、それもユーロビートのシンセリフとして、

かなり細かく激しいメロディになっています。

これにデフォルトの空間系エフェクトをそのままかけてしまうと、

音が響きすぎて良く分からない音になってしまいます。

こういった目立つメロディ用の音は、自分が思っているより更に小さく、

聴こえる否か微妙なくらいの音量にすることを心がけています。

今回のエフェクトは最低限の設定にしましたが、

本気で作るなら後述のテクニックとの合わせ技で微調整すると、

更に面白い音にも出来るでしょう!

ビブラート

二つ目はビブラート音を揺らすテクニックです。

揺らすという事は持続的に上下させるため、使うのはLFOです。

ピッチをLFOで揺らしてみましょう。

OSCのピッチでも良いですが、今回は“ADVANCED”タブを使いましょうか。

ADVANCEDタブから“TUNE”をLFO 1で揺らしてみました。

しかし、LFOの“FREQUENCY”(周波数)を速めても変な感じがしますね。

この原因は音が鳴り始めた瞬間からピッチが上がったり揺れたりしてしまうため、

チューニングが上にズレて聴こえるためです。

これを簡単に解決する方法が、

LFOの右下にあるツマミの真ん中、“DELAY”です。

試しにFREQUENCYを0.500秒に戻してDELAYツマミを回してみましょう。

鳴ってから少し間をおいて揺れるようになりましたね。

また“SMOOTH”ツマミを上げれば、揺れ始めを滑らかに出来ます。

まあ僅かな差ではありますが。

今回のリフではロングトーンが無いため、ビブラートが活きるメロディとは言えませんが、

リフの終わりなどロングトーンが映える場合などに活用してみましょう!

レイヤー

三つ目にレイヤーというテクニックを紹介します。

コスプレイヤーじゃないよ

レイヤーとは異なる複数の音を重ねて新たな響きや音色による演出を狙うものです。

今回の音作りの中でも色んなパラメータがありましたから、

それらを少しずつ変えるだけでも色んな音が出来ます!

こんな風に更にデチューン幅を広げた上でオクターブ上に重ねて

フィルターを掛けても良いし…

波形から変えてしまうのもありです。

フィルターへ通るOSCを切り替えたり、デチューン幅を変えたり…

OSCによってチューニングをズラすというテクニックもあります。

微細な変化ですがそれぞれがちょっと違うピッチになるため、

全く同じものを鳴らすより幅や揺らぎの有る音に出来ます。

まとめ

今回はユーロビートのシンセブラスを作る方法について解説してきました。

お疲れ様でした!

やってみれば意外とシンプルな工程だと思うのですが、

「Unison DetuneをENVで動かす」など、

思いつかないと中々出来ないような手順も含まれていて、

シンセの音作りは奥が深いなぁといつも思います。

これからも、シンセもユーロビートもそれ以外も

色んな解説をしていきますのでお楽しみに!

では、オヤカマッサン♪