皆さんごきげんよう。IWOLIです。
今回からは、「初心セサイザー」シリーズのVitalで音作り編ということで
最強と名高い無料シンセVITALを使った色んな音作りを解説していこうと思います!
第一回はシンセ音の中でも王道かつド派手で分かりやすい”Super Saw”!(スーパーソウ)
基礎編でも簡単に作っていましたが、こちらをさらに煮詰める事で
どんなサウンドが出来上がるかを、
基礎編では紹介しきれなかった機能と合わせてご紹介します!
もしまだ基礎編を見ていない、シンセの基本機能をまだ知らないという方は、
こちらから先にご覧いただくことをお勧めします!
それでは作っていきますよ~!
Contents
Super Sawの基本
まずはおさらいもかねて基本的なSuper Sawを作っていきます。
OSCの波形を”Init”か”Basic Shapes”からSaw波にしてください。
このままではプレーンな音ですが、
波形表示の右にある”UNISON”の左、”1v”という部分を上にドラッグします。すると?
このように派手でゴージャスな音になりました!
これでSuper Sawの完成ですお疲れ様でしたー!
もちろん冗談です。
とはいえこのままでも十分実用は可能です。
実際にはコードで鳴らすことが多いと思われます。
Super Sawで鳴らしたCメジャーコード
まさにシンセ!って感じですね。凄く好きな音です。
ではここから色んな方法で、この音を変えていってみましょう!
デチューンの度合いを変える
Super Sawの加工一つ目は、UNISON区画のみで出来る方法です。
現在は”16v”かつ”20%“という状態ですが、これらを変えるだけで雰囲気が変わります。
試しに変えていってみましょう。
どうですか?結構変わるでしょう?
最初”1v“と書かれていた部分は、同時に鳴らすボイス数。
”20%”と書かれていた部分は、デチューンの幅(レンジ)です。
ボイス数を減らせば、音数が少なくてタイトな音に、
レンジを狭めれば、広がりが減って貫くような音になります。
逆にレンジを広げると、どんどんピッチのズレが開いていって、
不協和音に近づいていき、不快な音になっていきますが、
上手く使えばインパクトを与える個性的が音が作れます。
また実はこの紫の線部分も上下にドラッグできます。
これはばらけさせた音のピッチのばらけ方を調整できるのですが、
結構細かい話なので今は割愛させていただきます。
OSC2も使う
次は、今まで使ってこなかったOSC2も使っていきましょう。
折角3基プラスSMPがあるシンセですからね!
OSC2の起動はFILTERを点けるとき同様、左上の丸をクリックするだけです。
あとはさっきと同じように、ボイス数を増やしてSuper Sawにします。
といっても、このままではただ16v、レンジ20%のSuper Sawの音量がデカくなっただけです。
そこで、一工夫!
OSC2のオクターブを一つ上げます!
オクターブ(ピッチ)の変更はここ!PITCHの左側です。
その間にあるのはVital固有の機能ですが、今回は使いません。
ピッチは1上げるごとに1半音ずつ上がるので、
1オクターブ上げたい場合は12半音上げる必要があります。
VitalのPITCH調整の場合、WindowsではShiftキーを押しながら上下にドラッグすることで、
12半音ずつ(1オクターブずつ)動かすことができます!
実際にやってみましょう。
同じ音でもオクターブ上に重なる事で
煌びやかさが増しましたね!
デチューンレンジとの合わせ技!
更にもいっちょ加工してみましょう!
このように複数のOSCで重ねた場合、
片方のデチューンレンジを狭める事があります。
これをすることで、ぼやけがちだった音に芯を持たせることができます。
実際にやってみましょう!
結構雰囲気が変わるのが分かりますか?
確かに分厚いけど、その中で一つ突き抜けてくるような雰囲気を感じられるでしょうか。
僕はこのテクニックをやりがちで、特に低い方の音を狭めることで、
高域は広大で煌びやか、中低域はしっかり支える、という役割分担をさせています。
FILTERで絞る
お次はFILTERを使っていきましょう。
今のままでも派手でサビなどに使いやすそうですが、
逆に落ち着いたパートなどには目立ちすぎてしまいます。
そんな時はFILTERを使って高い倍音を削ってしまいましょう。
丸印を押してFILTERを点けます。
ここで注意点!
初期状態ではOSC1のみがFILTER1を通る様になっており、
OSC2はFILTER2のみ通ります。
つまり、この状態でFILTER1だけを点けるだけだと…
あまり変わった気がしませんね…
これは、OSC2の音がFILTERを通らず、そのまま鳴っているからです。
FILTERにどの音を通すかは…
この部分を点灯させることで変えられます。
試しに変えてみましょう。
FILTERが効いたおかげで、開いていく感じが気持ちいぃ!!ハイファイレイヴァー↑↑
閉じたまま使えば落ち着いたチルいシーンにも使えますし、
徐々に開くようにすれば盛り上げ性能バツグン!!!
ENVで動きをつける
さてかなりいい感じですが、
更にもう一工夫しちゃいましょう。
ここで使うのがモジュレーターの一つ、ENVです。
これを使って、「パンッ…」と弾けるような、キレのいい音にします。
アサインの方法、ENVの操作は基礎編の通りです!やってみましょう!
さっきの優しい感じから打って変わり、
今度はチョンチョンつつく様な音になりましたね!
更に加工を加えていきましょう。
FILTERのCutoffは繊細な物で、ちょっと変えるだけでも全然雰囲気が違うものになります。
FILTERのCutoffスライダー位置だけでなく、ENVで動かすアマウント量、
また、動かす方向を逆向きにする事でも全然違う雰囲気になりますね。
これらをどうするかは、実際の運用時に合わせて考えていくことになります。
更にもう1点!先ほどはENV1をFILTERにアサインしましたが、
この場合、ENV1は音量も動かしているので、
音量の動きとFILTERCutoffの動きが一致します。
これを狙っている場合は問題ない一方で、
もし別々に動かしたい場合はENV2でFILTERを動かしましょう!
ENV1の円をダブルクリックで消して…
この通り、FILTERにはENV2をアサインして、ENV1のSUSTAINを上げることで、
FILTERが閉じても音が聴こえるかどうかを制御できるようになりました。
0:08辺りでは、Cutoffが高めなので音が鳴り続けますが、
0:11以降はCutoffを下げたため、ENV2が下がると極端に低い音しか鳴らない様になり、
すぐに音が止むキレのいい音になりました。
PLUCK(プラック)と言います。
弦を引っ張ってつま弾くという意味に由来するそうです。
PLUCKっぽい音を指して「プラッキーな」なんて言ったりもしますね。
マクロで幅広い音をカバー
最後にちょっとテクニカルな事をしましょうか。
それが左端にあるMACRO(マクロ)です。
これは、アサイン先のパラメーターを、MACROツマミで一気に動かせる機能です。
複数のパラメーターを一斉に動かせるだけでなく、
対象パラメーターの初期値は変えないまま、状況に合わせて臨機応変に対応させたい時にも使えます!
物は試し、やってみましょう!
アサインの仕方はモジュレーターと同じ、十字マークを宛てるだけ!
これで、「Bメロとかでちょっとずつ盛り上げていきたい」という時も使えますね!
曲の再生中に動かしたい時は、DAWのオートメーション機能を使う事で
このMACROを曲と同期して自在に動かせるようになります!
おまけ:波形を替えてみる
最後と言っていたのに続けちゃいます。
と言ってもここはおまけとして、波形を替えちゃいます。
Saw波ではなくなるから厳密にはSuper Sawではないはずなのでおまけです。
この加工は実に簡単!ウェーブテーブルを選んで波形を替えるだけです。
ご覧の通り、おおもととなる音の倍音構成が変わるので、
かなり雰囲気が変わりますね。
比較的、サイン波、Saw波、そして四角形の矩形波(Square波とも)は使用頻度が高めでしょうか。
特に矩形波の使用頻度はSaw波に勝るとも劣らないでしょう。
レトロゲームに使われるチップチューンなどは種類の違う矩形波を使用していることが多かったため、レトロ可愛い雰囲気を出すのにも向いています。
以前紹介したコンビニの音もそうですが、実用例として、
PSYQUIさんのHypeのビルドアップに使われている音がたぶん矩形波ですね、
※タイミングを0:25に合わせてあります。
ボーカルとキレのいいリズムに合わせ、小刻みに鳴るシンセの
「ファアアアン」という音が、Saw波とは一味違った可愛げを感じます。
そしてつんざく感じがあまりないので、いくらかデチューンも掛かった、
いわば”Super Square”とでも言いそうな音に聴こえます。(そんなものがあるのかは知りませんが)
まとめ
ということで今回は以上となります。
お疲れ様でした!
Super Sawはデチューンさえすれば出来る簡単な音なのですが、
そこに様々な加工を施すことで色んな音が楽しめますね!
やろうと思えばまっだまだ色んな事が出来ますが、
記事がとんでもない量になっちゃうので今日は自重します!
皆さんも色々試してみてくださいね!
それでは、オヤカマッサン~(さようなら)
次は何を作ろうかしら。
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