皆さんごきげんよう。IWOLIです。
前回ではSynth1の音色を本来の波形そのままの音に戻しました。
今回は遂に、音作りに入っていきます!
一見複雑に見えますが、今回は使う機能を厳選し、
基本的な音に必要な基礎をお見せしますので、
シンセが苦手だったという方もきっと作れると思いますよ!
それではいきましょ~。
OSCで波形を選ぶ
まずは例によってOSCにて波形を選んでいきましょう。
今回は定番としてSaw波を選びましょうか。
前回の初期化講座でSaw波にしていればそのままですね。
もし違う場合は”Oscillators”の左上にある「1」か、
波形マーク辺りをクリックしてSaw波にしましょう。
(Vital編も見てくださった方にとっては)いつものサウンドが流れてきました。
このままでも良いですが、少し広がりを与えるためにデチューンします。
Synth1では”det”を上げることでデチューンにより音を広げられます。
例によって上げ過ぎると不協和音に近づいて不快になってしまうので、
用途に合わせて調節しましょう!
僕は40前後が好みですね~。
他にも”FM”とか”sub”とか、様々な加工法はありますが、
今回は取り敢えずこのサウンドを軸にします!
Amplifierで音量変化を決める
OSCで基本の音色が決まったら、
音を大きく特徴づける要素である音量変化をAmplifierで決めましょう。
作る音色は…リードだと音量変化が小さくて分かりにくいので、
ベルっぽい音にしましょうか。
ベルと言えば、鳴った後すぐに音量が減衰しますね。
ということでSustainである”S”を下げます。
あらま、音がほとんど出なくなってしまいました。
このような現象、シンセ初心者の方なら結構あるあるなんじゃないでしょうか?
ですがこの理由は簡単です。

この”D”の部分、即ち”Decay”が「0」になっていますね?
つまり、鳴り始めた瞬間に”S”の値、「0」になってしまうため、
ほんのわずかな間しか音が鳴らなくなっているんです。
Vitalで言う所の、

こういう状態なんですね。ホンマにVitalくん分かりやすい(一神教)
なのでこれを解決するために、Decayを伸ばしましょう。
Decayを伸ばすことで音が鳴ってくれました!
本来のベルであれば、Sustain=0が基本と言えますが、
今回のようにSustainを少し残し、リードとベルの両方の側面を持つ音というのもとても使いやすいですよ。
ツマミをクリックしてスライダーや数字が表示されている状態で、
マウスホイールを動かすと1ずつ細かく操作しやすいですよ!
あとはReleaseを少し伸ばせばベルらしい音量変化の完成です!
Filterで絞る
さて、次が最後になります、Filterです。
ここもADSRなのでAmp同様シンプルに済ませられそう…に見えますが、
こちらでは色んな動きをツマミで制御するため、
仕様の理解などちょっとややこしい所があります。
例えばFilterの”S”や”frq”ツマミ単体を動かしてみても、
このように、ほとんど変化がありません。
これもさっきのアンプエンベロープ同様に、
各パラメーターは連動しているため、一つだけ動かしても変化しないのが原因です。
これも、Vitalで同じ動きを見てみると分かりやすいです。
アホの二つ覚え過ぎますが…Vitalってほんとに見やすいんです!
まず、今のSynth1に近い状態をVitalで再現したものが、

こちらです。

ENV 2がFILTER 1のCutoff周波数、
即ち”frq”(周波数)にアサインされていて、
そのアマウント値はマックスです。

ADSRの値はそれぞれ0、0、100、0です。
RELEASEが上がってたので慌てて下げましたすみません。

そしてCutoff周波数の初期値もマックスです。
この状態で、SUSTAINやCutoff周波数を一方だけ変えても、
このように変化しません。
これは、
- SUSTAINだけ下げた場合
→Cutoff周波数が高いので、結局FILTERは開きっぱなし
- Cutoff周波数だけ下げた場合
→マックスのアマウント値とSUSTAINによって、結局FILTERは開きっぱなし
という状態になっているためです。
これらを解決していきましょう!
まず、SUSTAINとfrqを両方ともちょっと下げます。
下げ過ぎると動画中盤のように無音になってしまうので、
あくまで真ん中ぐらいを意識しましょう。
とはいえこのままでは一定のFilter開度のままです。
Vitalで言うと、
こんな感じの状態ですね。Decayが0なのがまずシュール
ということで、Synth1でDecayを弄りましょう。
ようやくFilterに動きが付き「ピュンッ」という感じになりました!
ただこれでもちょっと分かりにくい気がするので、
さっき調整していた「Amplifierの方」のADSRも変えつつ、
Filterの動きが分かりやすいようにしていきましょう。
段々と閉じていくのが分かりますね!
また動画のようにAttackを変えるのもとても分かりやすいです。
とても分かりやすいパラメーターではあります。
最初からこっち弄ればよかったかも。
何はともあれ、これにて簡易的なベル風シンセリードの完成です!
ベルと言っていいのか不安だけど!
まとめ
Synth1で音作りの基礎講座、
今回で遂に音色が作れました。お疲れ様でしたー!
UIの都合から、あたかもSynth1が劣っているかのように思えたかもしれませんが、
このシンセにもならではの取柄があります。
またこのようにツマミの名前などから仕様を判断し、操作が出来るようになると、
今後はどんなシンセを目の前にしても、最低限の音作りがこなせるようになるでしょう!
更にはそのシンセ特有の機能が活用出来るようになれば、
各シンセの武器を最大限に活かした個性的な音作りが可能になるはずです!
生音を収録した、例えばピアノ音源のような音源に比べて、
シンセは自由度の高さや音作りを前提とした設計から、
最初は嫌厭する方が多いかもしれません。
しかし、その自由度と「元から合成の音」というのが逆に活かせると、
生音の打ち込みで出てしまいがちなチープさとほぼ無縁な素晴らしき電子音との出会いが待っています!!!
このシリーズで、その出会いのお手伝いが出来ていたらとても嬉しく思います。
それではまた次の記事でお会いしましょう~!
オヤカマッサン!
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