皆さんごきげんよう。IWOLIです。
今回は残る主要機能たる、Synth1の右端部分についてまとめて解説します。(”Voice”除く)
他の機能に比べ、音色を劇的に変えるほどではありませんが、
実際に編曲などで音を作っていく上ではとても重要なので、
是非使ってみてくださいね!
”Effect”セクション
まず一番上の”Effect”「エフェクト」を見ていきましょう。
えらくざっくりしたネーミングですが、
ここには名の通り、色んな種類のエフェクトがひとまとめになっています。

初期状態で”a.d.1”と書かれている部分をクリックするとこのように使用できるエフェクターが表示されます。
略称になっていて分かりにくいですが…
正式名は以下の通りです。
- a.d.1:アナログディストーション1
- a.d.2:アナログディストーション2
- d.d:デジタルディストーション
- deci.デシメータ
- r.m.:リングモジュレーション
- comp.:コンプレッサー
- ph.1:フェーザー1
- ph.2:フェーザー2
- ph.3:フェーザー3
- ph.4:フェーザー4
「それでも分かんねーんだよ!」という方のために、一つずつ解説していきますね!(僕も曖昧だったので!)
a.d.1/a.d.2/d.d
これら3つは同じ「ディストーション」に当たるため、
一気に解説しますね。
ディストーションとは訳すと「歪み」。(『ひずみ』と読むのが一般的です)
音を歪ませることで、倍音が増えて強く目立った音色になります。
正確にはエフェクターのディストーションやオーバードライブの方が近いですが。
試しにON/OFFで聴いてみましょう。
前半でも差はありますが、
特に後半でSin波を歪ませた時が顕著でしょうか。
何が起きているのか、図で説明します。
(Studio Oneで恐縮ですが…)

これが、”Scope”というプラグインでSin波の波形を表示した時です。
見たまんまSin波ですね。
一方、これにa.d.1を掛けたものが…

こちらです。
振幅が大きくなっており、音量が大きくなったこともわかりますが、
それ以上に、Sin波とは似ても似つかない形に変わってしまいました。
これが「歪み」「ディストーション」の力です。
更に同じ音の周波数分布を見てみましょう。

Sin波のままならこの通り、基音以外は何もありません。

一方、ディストーションを通すとこんなにも大量の倍音が付加されます!
倍音が増えるため、音色が明るくなったり強くなり、
より目立つ音に変えられます。
a.d.1~d.dのエフェクトはこの歪ませ方がそれぞれ異なります。
ツマミは弄っていないのにこんなに違いが!
更に右にあるツマミでも変化の仕方を変えられます。
効果はそれぞれ異なるのでご注意を。
ctl1
a.d.1~d.dを選択時、”ctl1”では歪みの強さを変えます。
ゼロにするとほとんどエフェクトが掛かっていない状態になりますね。
ctl2
a.d.1~d.dを選択時、”ctl2”ではエフェクトを掛けた時のFilterのカットオフ周波数を変えます。
メインのFilterと似た動きではありますね。
ただ、どちらを使うかで(説明が難しいんですが)結構出音に違いも出ますので上手く使い分けましょう。
level
a.d.1~d.dを選択時、”level”は概ね音量調整と言っていいでしょう。
”ctl1”の様に歪み量が変わるのではなく、ほぼそのままの音色で大きさが上下します。
若干音色も変わっているように思われますが…ここは微妙です()
deci.
お次は”deci.”「デシメータ」です。
これは歪みと似ていますが、サンプリング周波数やビット数を下げることで、
音質を下げる事により歪ませるエフェクターです。
試しに弄ってみましょう。こちらもSin波が分かりやすいです。
こんな感じでかなり過激に変わりますね!
この原理はかなりややこしいので省きますが、
超超ざっくりし過ぎた説明をしちゃうと例えば…

こんな感じで、元ある波形を粗い周期でジグザグにするもの、という感じの理解で大丈夫かな?と思います。
各ツマミの効果
deci.での”ctl1”はサンプリング周波数を、
”ctl2”ではビット数を変化させます。
”level”では原音とのバランス、混ざり具合を調整します。
”level”だけは分かりやすいですね。
r.m.
”r.m.”とは「リングモジュレーション」です。
こちらも原理はややこしいのですが、
鳴らした音の周波数の合計と差の周波数の音を出力するというものです。
…取り敢えず鳴らしましょう!
こんな感じでかなり音色の予測は難しいですが、
複雑で極端に変わる音色を生み出せます。
また、「合計と差」の二つを出力しているので、純粋な基音しかないSin波の場合、
二つの山が新たに形成されているのが分かりますね。
ツマミの効果
こちらのツマミはかなりシンプルで、
”ctl1”は合成する周波数、
”level”はdeci.と同じく原音とのバランスです。
またr.m.では”ctl2”は効果がありません。
comp.
お次の”comp.”「コンプレッサー」、
こちらは楽曲のミックスで良くお世話になる「コンプレッサー」そのものですね。
元々は、大きすぎる音を検出した時にそれを抑える(圧縮する)ものなのですが、
このSynth1内臓のコンプは逆に、
小さすぎる音を増幅させる効果も持ちつつ、
歪みの様に倍音も付加する効果があるようです。
かなりディストーションと似てもいますが、
それよりも落ち着いた変化ですね。
各ツマミの効果
”ctl1”は圧縮の強さ、歪みの大きさのようです。
”ctl2”はコンプの聴き始めまでの時間である、
アタックタイムを調整します。
これを上げるとサステインの歪みが無くなる一方で、
アタックに大きな音が鳴った事からも分かりますね。
”level”はディストーション系と同じく音量調整ですね。
ph.1/ph.2/ph.3/ph.4
最後は”ph.”「フェーザー」系を一気に解説します。
先に動画で効果をお見せしますね。
これは倍音が少しあった方が分かりやすいので三角波を使います。
パラメーターを上げていくと、音がうねっていきますね。
これまた原理がややこしいのですが、
位相のズレた音を重ねて、音同士の干渉を利用してうねらせています。
今はややこしいことは抜きにして、うねりを与えられる、くらいの理解で良いでしょう。
各ツマミの効果
”ctl1”ではうねりの深さ、「デプス」を変え、
”ctl2”ではうねりの速さ、「レート」を変えられます。
”level”はまたややこしいのですが、さしずめ「フィードバック」でしょうか。
フェーザーによる効果が更にクドく強調されます。
マックスにすると、Filterの”res”を上げたようになり、
うねりというより「ギュワンギュワン」しますね。
ph.1~4の違い
また「フェーザー」ごとの違いですが、
これがまた説明しづらい!w
聴いていただくと、ツマミを変えなくても、
ph.〇の数字が上がるほど効果が強くなっていますね。
これは重ねる音の数でしょうか…(正確な情報でなくすみません)
少なくとも、4に近づくほど効果が大きくなるという事ですね。
”Equalizer / Pan”セクション
さて、ここからはかなり簡単になります!助かった…
”Equalizer”
”Equalizer”「イコライザー」は指定した周波数付近の音量だけを、
増幅、または減衰させられます。
周波数分布に影響するため、フィルターと似ていますが、
こちらは倍音を濾すような劇的な変化ではなく、
あくまで音質の調整用、即ち「イコライズ」、
「等しくする」という機能を持ったエフェクトです。
各ツマミの効果は
- freq:操作する周波数
- level:音量の増減
- Q:影響する範囲
- tone:全体の音色(低域重視か高域重視か)
となっています。
”Pan”
”Pan”「パン」は物凄くシンプルです。
ところで皆さん、ステレオ環境で聴いてくださっているでしょうか?(今更)
「パン」というのは音の定位、左右位置の事です。
これを動かすと音が左右どちらかから偏って聴こえます。
本当にそれだけです。
”Tempo Delay”セクション
”Tempo Delay”「テンポディレイ」は、曲のテンポに同期した、
「ディレイ」つまり山彦のような効果です。
とても効果は分かりやすいですが、こういうエフェクトは、
細かいパラメーターはとても分かりにくいです!助かって無かった
なので今回は超ざっくりで説明していきます!
種類
例によって以下の様に幾つか選べます。

ただこちらは後で紹介する、”sprd”を変えないとほとんど差は現れません。
例外的に”PP”だけは変わります。(3つしかないのに例外とは)
こちらは「ピンポンディレイ」でしょう。ディレイした音が左右から跳ねてきます。
”ST”、”X”も先に説明すると、
”ST”は「ステレオ」に、左右の音がだんだんズレていきます。
”X”は、”sprd”に従いズレも聞こえますが、常に一定のズレがキープされます。
”time”
このタイムは、ディレイが鳴るまでのインターバルです。
大きくするとより遅れて聴こえるようになります。
”sprd”
スプレッドでは音の左右の広がりやズレを変えます。
個人的に一番分かりにくいツマミです。
”fdbk”
FBKではありません、「フィードバック」です。
ディレイ音がどれだけ長引くかを決めます。
マックスにすると「いつ泣き止むねん」ってなります。
”tone”
「トーン」はディレイ音のみの音色を変えます。
ディレイ音の為のEqualizerやFilterの様な物ですね。
”d/w”
こちらは「ドライ/ウェット」で、
元の原音とディレイ音のバランスを変えます。
何故「乾いてるか湿ってるか」で区別するのか、僕には分かりません…
慣れないうちは、余り迂闊に弄らず、
- ”time”:曲のテンポに合わせた切りのいい長さ
- ”fdbk”:上げすぎない
- ”d/w”:上げすぎない
ぐらいの目安で始めるくらいが良いと思います。
”Chorus / Flanger”セクション
さて、また割と分かりにくい所に来てしまいました…
”Chorus”「コーラス」”Flanger”「フランジャー」は、
どちらも位相のずらした音を鳴らして音色を変えるものです。
これまたとんでもなく説明困難な変化です…
ただお気づきでしょうか?
”time””fdbk”など、Delayと同じツマミが幾つかありますね。
ディレイ、コーラス、フランジャーはそれぞれとても似た性質を持っています。
何せ位相をズラすというのは「若干遅れている」とも言えますから、
これとフェーザーはある意味親戚のようなエフェクトと言えるかもしれません。
ディレイ、コーラス、フランジャーが兄弟、フェーザーが従兄のような感じでしょうか(余計分かりにくいかも)
まとめ
これでエフェクト関係は以上となります!
お疲れ様でした!(めっちゃ疲れた)
エフェクトはものによって結構難解なものもありますが、
音作りの仕上げとして大切な役割を担っています。
完全に理解しきっていなくても結構良い音には出来たりするので、
まずは取り敢えずONにして色々遊んでみましょう!
それではオヤカマッサン~
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