作曲解説:「Azure Expressway」が出来るまで① – 基本部分の「コード・メロディ」を作る!

皆さんごきげんよう、駆け出しボカロPのIWOLIです。

「Azure Expresswayが出来るまで」第1回となる今回は、
この先この曲を作っていく時の基本となる、コードメロディを一気に作りあげちゃいます

「そんないきなり!?」と思うかもしれませんが大丈夫!

この曲の基盤となるコードやメロディは、実はとても単純に作られています。

このページで分かる事
コード進行を決める時の考え方
メロディ作り方
・感覚やセンス、運に頼らず、確実に作曲出来るようになる!

この記事を読んで、一緒に作曲してみましょう!

きっと思った以上に簡単でびっくりしちゃいますよ!

今回は第1回ですが、曲を作り始めるよりも前に、
作る目的の考え方について解説した記事もあります。
気になった方はこちらもどうぞ!

Contents

完成イメージ

始める前に完成イメージをお見せします。

第0回でも紹介しましたが今回の題材曲はこちら。

今回はコード進行とメロディを作るため作る箇所はこの動画のとおり、
1:06辺りからのメロディが入る部分になってきますね。

この状態だと大変そうに思うかもしれませんが、これをメロとコードだけにすると…?

こんな感じになります。これだと簡単に出来そうな気がしてきませんか?

コード進行は、何も考えなくていい

では早速始めて行きましょう。

作曲で一番最初に決めると良いのはコード、もといコード進行です。

理由は主に3つ。

  • 雰囲気を大きく左右するから
  • コード進行は自由度が低いから
  • メロディを考えるヒントになるから

ここについての詳細は以下の記事で深掘りしているので気になる方は参考までに~。

ここではややこしい説明的な事は抜きにして、実際に手を動かしていきましょう!

大丈夫、コード進行は本当に考えずに真似して手を動かすだけでそれっぽくなります!

と言う事でDAWの操作に行きます、お使いのソフトを開いてください!

今回はあくまでコードとメロディを作る事に特化するため、
DAWの基本的な操作説明は行っていません。
操作方法が分からない、DAWが無い!という方は
DAWの操作を解説している各記事をご覧ください。

コードを鳴らす音源を用意する

DAWを開いたら音源を準備していきましょう。

ここではDAWの操作は省き、の選び方についてを重点的に解説します。

今回はStudio One付属のMai Taiを使用します。

この中のPadカテゴリーに入っている、”Bellish Bliss Pad”と言う音を使用しました。

音はこんな感じ。

Mai Taiが使用できて、特にこだわりの無い方はこちらで進めると良いでしょう。

一方でStudio Oneユーザーで無いなどの理由で、他の音を探す必要がある方もいらっしゃると思います。

ピアノなどなら問題ないと思いますが、シンセの場合は色んな音があるので、
音選びだけで迷子になってしまうかもしれません。

と言うのも、ただプリセットを選ぶといっても意外な落とし穴があり、
ちゃんと適した音を選ぶ必要があるからです。

ここからはそんな方のために、コードを鳴らすための音選びについて解説します。

コードを鳴らそうと思っているので気を付けるべきポイントは、

  • 音程のはっきりした音が出る
  • 複数の音同時に鳴らせる
  • 一定の音色を奏でられる

の3点です。

音選びの注意点①:音程のはっきりした音が出る

1つ目は「音程のはっきりした音が出る」こと、超基本的ですね。

コードは高さの異なる音を同時に鳴らすことで生まれるハーモニーですから、
音程の概念が無い・感じられないような、ノイズドラムではダメなのは自明です。

どうしろというのだ…

ただここで問題になりがちなのが、じゃあそんな音はどうやって探せばいいか?です。

例えばMai Taiの場合、初期状態でかなり膨大なプリセットが用意されています。

Bassフォルダだけでこんなに!

ありがたくもありますが、迷ってしまいますよね。

なのでまずはざっくりと「ここは音程の乏しいことが多い」物をお教えします。

それがDrumFX系です。

Drum(ドラム)はまあ想像できるでしょう。

音程が無い事も無いですが、基本的にコードを奏でられるようなものではありません。

またFXは「効果音」の事です。

こちらも音程というより「ピュン」とか「ジジジ…」みたいな音を出すプリセットなので、
コードは多くの音がほぼ不可と言えるでしょう。

音選びの注意点②:複数の音を同時に鳴らせる

2つ目の注意点が「複数の音同時に鳴らせる」こと。

これも当然といえば当然ですが、ハーモニー(和音)を鳴らすには必須です。

「複数の音が鳴るなんてそんな当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、
実は意外とそうでもなく、単音しか鳴らない音も結構あります。

分かりやすいのがリードシンセ、このような音ですね。

同時に幾つか鳴らそうとしても、鳴らした内の1音しか鳴ってくれません。

ポイントになるのが、Mai Taiだと右下に書かれているここ!

この”Voices”即ちボイス数が1など小さくなっていたり、はたまた別のシンセ…

Synth1の右下の様に”mono”や”legato”になっている音は要注意!

ボイス数が少ないとその数字分しか鳴らず、MonoやLegatoの場合は基本1音しか鳴りません。

逆にSynth1に”poly”と書いてあるとおり、複数の音を鳴らせることは
ポリフォニック」と呼びます。

そしてこの条件に当てはまりやすいのが、
Lead、Bass系カテゴリです。

ベースはほぼ確実に単音で鳴らすことが目的のため、コードには非対応な事が多いです。

そもそも低音担当なので、Monoじゃなくても非推奨ですね。

リードに関しては物に寄りますが、基本的にMonoLegatoであることが多いです。

コードに使えそうなものも一部ありますが、わざわざここで選ぶ必要は無いでしょう。

シンセによっては、構造上そもそも1音しか出せない
モノフォニックシンセというのも存在します。
DAW付属などではよく見かける物では無いかもしれませんが、念の為確認を!

音選びの注意点③:一定の音色を奏でられる

最後に意識すると良いのが「一定の音色」であることです。

一定の音色と言うとイメージしづらいかもしれませんが言い換えると、
揺らぎ変化の少ない音と言う事です。

ここはむしろ、逆に変化が強すぎる音を聴いた方がイメージしやすいでしょうか?

こんな感じです。

ただ鳴らしているだけなのに「ギョワンワンワンワンwwww」と揺れまくっていて目立ちますね。

コードを鳴らすことは出来ますが、このような激しい音だと、
作っていてもコードをイメージしづらくなってしまう恐れがあります。

最初はなるべく一定の音色で、長く響かせられるものを探しましょう。

色んなシンセでコードにおすすめの音

ではこれらの条件を満たす、コードを鳴らすのに良い音はどう探せばいいのでしょうか?

今回はStudio OneのMai Taiだけでなく、以下のシンセを例にご紹介します!

  • Mai Tai
  • Synth1
  • Surge XT
  • Vital(今回はオススメしづらいですが…)

Mai Taiですと実際に使用したPadカテゴリも良いですが、例えばこちらStringsカテゴリの、
Keith’s Strings”辺りが使いやすいでしょうか?

ちょっと音量の立ち上がりが遅いですが。

Polyカテゴリは悪くないのですが、時折癖の強い音があったりするので探すのは後で良いでしょう。

Synth1の場合も、PadStringsと書かれているものはコードを鳴らす上でアタリが多いと思います。

”Sweep pad”と書かれたものは悪くはないのですが、
スウィープと呼ばれる「変化」がちょっと強くてあまり向いていないかもしれません。

プリセットが充実しているSurge XTの場合、
KeysPadsPolysynthsはコードに使える物が多そうです。

数が多いので今回紹介する中で一番良いシンセかもしれませんね!

”Chords”といういかにもコードが鳴らせそうなカテゴリーがありますが、
これは基本的に1音鳴らすだけでコードになる音です。
自在に色んなコードを鳴らし進行させたいなら基本的に使えないと思った方が良いでしょう。

Vitalの場合も同様に、KeysPadのタグがあります。

フォルダではなくタグ検索で絞り込めるのは便利ですね。

僕お気に入りのVitalですが、プリセット選択で解決したい場合は非推奨と言わざるを得ないかもしれません…
というのも、この画像のようなタグ検索は便利なのですが、
無料版に初期で入っている音は全体的に相当クセが強いです。
探せば手に入るでしょうが、少し効率が悪くなってしまうでしょう。

コードを鳴らす

音色が決まったらコードを鳴らしていきましょう!

ピアノロールを開いてください。

今回のコード進行

Azure Expresswayで使ったコード進行は、6-4-5-1進行、通称「小室進行」です。

コード進行そのものの詳細は先ほど挙げた記事をご参照ください!

ここでは早速、選んだ音色で小室進行を鳴らしていきましょう!

…と言ってもいきなりだと「何をどうすれば小室進行になるの?」って感じかもですね。

コード進行を打ち込んでいく最初の一手は、ルート音から始めましょう!

なぜなら、ルート音とはコードの土台であり、
コード進行の数字をそのまま打ち込めばいいからです。

コード進行のルートを聴いてみよう

でも「数字そのままと言われても何のことか分からない!」と言う方、ご安心ください。

順に解説していきます。

ここにMai Taiの下にある鍵盤1オクターブ分があります。

ここの白鍵に、「ド」から順番で数字を当ててみます。

8は基本使いませんが…何となく振っておきました

この数字を、先ほど示した「6-4-5-1」の順で押してみてください。

ど う あ が い て も チ ャ イ ム

これがCメジャーキーにおける6-4-5-1進行小室進行ルート音です。

めちゃ簡単じゃないですか?

あとはこれを、お使いの音源が入ったトラックのMIDIイベントに打ち込んでいきましょう!

MIDIでルート音を打ち込もう

ということでいよいよ打ち込み!単音なのですぐに出来ると思いますよ!

Studio Oneの場合、操作はとても単純です。

  1. トラックの右側で、ダブルクリックもしくはCtrl+ドラッグ
  2. 出来たMIDIイベントをもう一度ダブルクリック
  3. 画面下に開いたピアノロールで、C3~C4の間で打ち込み!

DAWが違う方はそれぞれの使い方を調べてみてください!
僕も一部解説してます(自薦)

早速聴いてみましょうか、カーソルを冒頭に持っていってスタート!

…なんかせっかちじゃね?

はい、これはミスってるといえるでしょう。

凄く初歩的に見えますが、結構あるあるだと思っています。気にしないで!

画像を見てもらうと分かる通り、それぞれの音が4分音符、即ち1拍分しかありません

コード進行は空気感を担う物なので、こんなに早く切り替わる事はなかなかなく、
基本的に2拍(2分音符)から4拍(全音符=1小節)くらいは同じコードです。

ということで、そのコードの基盤たるルート音も伸ばしましょう。
今回は全ての音符を1小節にします。

Studio Oneの場合は手順はこんな感じ。

  1. MIDIイベント4小節分まで伸ばす
  2. それぞれの音符を、各小節の頭に合わせる
  3. 全ての音符の長さを1小節まで伸ばす

動画ではショートカットも使っていますね…。ズームや複数選択が出来ると便利ですよ~
(初心者にいきなりやらせることではない)

ただ、今度はちょっと暢気すぎるでしょうか?

気になる場合はテンポを上げておきましょう。

原曲のBPMは174です。かなり快速になりますね。

まだ遅く感じるかもしれませんが大丈夫。こんなもんです。

ではここに、和音をそれぞれ追加して、コード進行にしましょう!

コード進行を完成させる

ルート音が打ち込めたので、残るコードの構成音を加えていきましょう。

お伝えしている通り、コードとは複数の異なる音が同時に鳴っているものです。

ではその構成はどうすればいいか?これも実は、今回の曲はとても簡単です。

白鍵一つ飛ばしに選んでください。

例えば、最後の音は「C3」の「ド」でした。

なので、白鍵部分のみを数えて一つ飛ばしを選んでいくと…?

はい、これだけでもう「Cメジャーコード」の完成です。

そしてこのAzure Expressway、なんとこの方法で選ばれたコードしか使ってないんです。

ということで全部一つ飛ばしで選んでいきましょう。

ここでは手早く操作するため、「Ctrl+ドラッグ」や「Alt+ドラッグ」を駆使し、
各ノートを上にコピーしています。

厳密には、これらのコードをあたかも同じものかの様に、
「同じ間隔!」と言うのは語弊があります
あくまでも「この曲(このキー)」の場合は「白鍵だけで見た時」に同じ間隔、
と言う事をお忘れなく!

さてこれで完成したコード進行を聴いてみましょう!

ハーモニーになった事で、かなり雰囲気出てきましたね!

当てはまる音に音符をポイポイ置くだけ。結構単純でしょう?

コーヒーブレイク:何故このコード進行で成立するか?

ちょっとここらで息抜きと行きましょう。

この作業をしていて、不安を感じた方も居るのではないでしょうか?

  • 単純過ぎて不安…
  • あまりにもチャイムで子供っぽい
  • 小室哲哉さんのパクリ扱いされそうで怖い!

ですが心配ご無用!この小室進行に限らずコード進行とは、
同じような物が散々使い古されています。

例えば小室進行の場合は、大人気ボカロ曲のオーバーライドや、
千本桜でもサビで繰り返し使われています。

どちらかと言うと、進行の後半部分が明るくポジティブさを出すのに向いた進行と言えるでしょう。

詳細は以下の記事で!ここでは他のコード進行も紹介していますよ!

メロディを、タテとヨコに分ける

コード進行が出来上がったら、いよいよメロディに移ります!

ここが一番分からん!と言う方も多いと思います。僕も割りとニガテ…

ですが!超簡単かつ確実イイカンジに仕上げる方法があります!

それが、メロディをタテ・ヨコで分ける考え方です。

これだけだと「?」って感じですよね。まずは「ヨコ」から説明していきます。

メロディの「ヨコ」

メロディのヨコとは。それはリズムです。ここでは横成分、即ちリズムだけを考えます

リズムだけで考えるという事は、常に同じ高さで音を鳴らしリズムを取るという事。

音符の長さ配置を変え、リズムを作る工程です。

Azure Expressway原曲リズムの場合

メロディの「タテ」

逆にメロディのタテとは、音の高さピッチの事です。

メロディと言えば音程が動くと思うことが多いと思いますが、
それはあくまで縦成分の動きに注目しているという訳なんですね。

基本的にはスケール内の音を使い、音符の高低(上下)の位置を決める工程です。

Azure Expresswayの場合

これは先ほどのリズムを、Azure Expresswayのタテの動き、音程に合わせた物です。
※厳密には若干違います。

基本的にリスナーはこの形で聴くため、「メロディと言えば音程が動く物!」と考えます。

しかしそこには、リズム面音程面二つの軸があったんです。

メロディ作りで難航・挫折する人の多くはこれらを混同し、同時に作ろうとしてしまうんです。

厳密に言うと音の高さ(ピッチ)は日本語で「音高」と呼び、音程は誤用だそうです。
ただ一般的には「音の高さ=ピッチ=音程」としてよく使われているため、
分かりやすいようここでは「音程=音の高さ」として使います。
音程とは「複数の音の高さの『差』」なんだとか。どこで使うのこんなん…。

「ヨコ」を先に決める

さて、ではこの二つの要素を分けたとして、どちらから決めるべきか?

上記二つの動画を見て察しがついたかもしれませんが、答えはズバリ「ヨコ」

即ちリズムから決めるのを推奨します。

その理由は見ての通り、メロディのタテ即ち音程の要素も、
ヨコのリズムが無ければ成立しないからです。

今回は原曲に由来するリズムを例にしましたが、

例えばこんな4分音符だけで構成された超絶シンプルメロディでも、
4分音符の繰り返し」というリズムが存在します。

リズム無しで音楽は存在し得ないでしょう。なんたってリズムは時間

音がそもそも波として時間をかけて進んでいる時点で、
時間要素を考える事は避けられません

ならば、必ず考慮すべきリズムを先に決め、それを各音程に当てはめた方が
圧倒的にシンプルかつ確実じゃないですか?

このメロディをリズム音程に分けて考える戦法で、メロディは一気に作りやすくなるのです!

ピッチを定め、超簡単にメロディにしちゃう裏技!

ではそんな、最強のメロディの作り方を試してみましょう!

初めての方を想定して今回は、Azure Expresswayのリズムをそのまま流用します。

パクりなんて不安?大丈夫!

今回紹介する方法は全く同じリズムでありながら、
ちゃんと個性も出せる方法を提案します。

楽しんでいきましょう!

音色を選ぶ

といってもまずは音源が決まらないとメロディが鳴りません。

なのでコードの時と同様に音色を選んでいきましょう。

メロディを奏でる楽器はリードと呼ばれることが多いです。

リーダーLead(曲を)引っ張るという意味ですね。

そんなリードに向いている音色の基準は主にこの4つ。

  • 音程のはっきりした音
  • 一定の音色を奏でられる(任意)
  • 立ち上がり歯切れの良い音
  • 単音で鳴らせる(任意)

手前二つはコードの時と同じですね。

一方で下二つはリード特有のものなのでこれらについて少し解説します。

一定の音色である必要は?
「一定の音色」を奏でられるという条件が任意になっているのが気になった方もいるかもしれません。
ここは少し悩ましいですが、時と場合によってリードは、
少しの揺らぎが良い味を出すこともあるので「任意」としました。
とはいえ最初は、一定の音色であった方が分かりやすく作曲しやすいでしょう。

立ち上がり・歯切れの良い音

立ち上がり歯切れとは即ち、音の鳴り始め鳴り終わりのことです。

良くない例として丁度いいのがこの音色。

こちらを先ほどコード用の音色の話で「立ち上がりが遅い」と言いました。

まさにこんな感じの音です。こちらはそこまで極端に遅くはないですが。

こちらの音色、音の立ち上がりも歯切れもさほど速くありませんが、
これがリードメロディで使う場合は結構災いします。

コードは長く伸ばしゆったり演奏する一方で、メロディはより短い時間どんどん次の音が来ますよね?

このメロディに対して音の鳴り始め・終わりが遅いと、

  • ちゃんと鳴る前に次の音符が来る
  • 次の音符と、前の音符の音が被る

といった問題が出てきてしまいます。

多少重なるのは問題ないですが、余りに遅いとメロディとして聴こえなくなる恐れがありますね。

単音で鳴らせる(任意)

そして4つ目が単音で鳴らせることです。モノフォニックとも言います。

ここはコードとは真逆ですね。
コードを鳴らすには複数で鳴らせるのが条件でしたから。

とはいえこちらは先ほどコードの解説で例に出したので、覚えている方もいらっしゃるでしょう。

そう、あの音がリードです。

プリセット名:HammerLead

「リード」と名付けられているだけあって非常にリードメロディ向きです。

ただこの条件に関しては他よりも気にしなくて良いです。

なんたって、同時に1音しかMIDIノートを置かなければほとんど変わらないですから。

じゃあなんで単音しか鳴らない音があるの?
って気になりますよね?
これは主に、音同士の繋がりを滑らかに繋ぐ動きで真価を発揮します。
動画の音をよく聴いてみてください。
音が変わる時に「ウイイイイン」とうねっている時がありますよね?
これが音同士をつなぐ「グライド」や「ポルタメント」と呼ばれるものです。

色んなシンセでリードにおすすめの音

ではコードの時と同じように、リードに向いた音の探し方を紹介します。

まずMai Taiの場合は、Leadカテゴリ内の名前に”Lead”と付いている物は大体使えるでしょう。

なんたってLeadですから(まんま過ぎる)

なぜこんな当たり前のことを言うか
何故なら、それ以外のLeadは一部、ワンワンと唸る物もあってちょっと使い辛い場合があるからです。
と言っても、多くはそれなりに使えると思います。

あとは、Polyカテゴリも使える物は多そうです。

ただし、コードの時同様に変な音には注意

Synth1では無難な音が多いですが、特にLeadと名付けられているものは大抵使えそうです。

プリセットの多いSurge XTではかなりの選択肢です。

モノフォニックのシンセ音にこだわるならLeadsカテゴリになりますが、それでも相当な数。

単音でなくて良いならKeysPlucksPolySynthsも候補に入りますね。

更にそれ以外の生楽器っぽい音でも良いなら、BrassWindsも十分使えます。

より取り見取りですね。

一方のVitalではLeadKeysで絞り込むのが良いでしょうが、やはり数は多くないです。

全体的にVital特有の音作りを魅せるための複雑すぎる物が多いですね…

僕の場合は幾つか追加していたり、自作もしているためそれなりの数になっていますが、
初期搭載は決して多いとは言えないでしょう。

AuthorIWOLI多過ぎじゃね…?

Vitalのプリセット問題はさておき、音色は決まりましたか?

次はいよいよ、メロディ打ち込みを始めていきますよ!

Azure Expresswayのリズムはこれだ!

ではメロディ作りの第一歩、リズムを打ち込んでいきましょう!

MIDIイベントを作りピアノロールを開いてください。

今はリズムだけを考えるので、音の高さは一定で打ち込みましょう。

キーがCメジャーなので、C3にしておくのが無難でしょうね。

今回打ち込むAzure Expresswayのリズムは先ほど見せた通りこんな感じ。

最初は付点4分音符の間隔で連発し…

4回打ったあとの偶数小節3拍目と4拍目だけ4分音符です。

長過ぎ・短過ぎにならないよう上部のグリッドにも気を付けてノートを置いて行きましょう!

音符の長さはこの通りである必要は無い事もあります。
ここは音色によって変わってきますが、詳しくは次回以降で!

無事、4小節分が出来たら次の工程、メロディに音程を付けるターンです。

音程を付ける時の基本、それはコード構成音を優先的に使う事です。

最初の一音を定める

遂に来ました!メロディを作っていきましょう!

まずは最初の音を決めていきましょう。

先ほどメロディにはコードの構成音を使うと良いと話しました。

これは、同時に鳴っているコードに含まれる音を優先的に使ってメロディを構成するという事です。

例えば鳴っているコードがCメジャー、「ド・ミ・ソ」の3つだった場合は、
メロディもド・ミ・ソ」の中から選ぶのが確実です。

同時に鳴る音が先ほど決めたコード進行の構成音に則るお陰で、
意図せず不自然な響きが生まれるのを防げます

また、他にも幾つかメロディを決めやすくする条件や選び方を紹介します。

避けた方が良い音

先程とは逆にメロディを使う時に余りオススメできない音もあります。

それは主に以下の2つです。

  • スケール外の音
  • ペンタトニックスケールに無い

スケール外の音は多少理論が分かっていれば察しがつくでしょう。

Cメジャーキーで言うと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」以外の音、黒鍵ですね。

スケール外の仲間外れを強引にねじ込むと結構不自然になってしまいます。

使うとしたら、敢えてスケール外のコードを使うようになってからですね。

ペンタトニックスケールに無い音というのは、メジャーキーで言う4度7度
Cメジャーキーなら「ファ」と「」です。

この二つはメジャーキーの構成音ではありますが、少し癖があって使う場面を慎重に選ぶ必要がある音です。

例えコードの構成音になっていたとしても、「ここぞ!」という場面以外では連発はし辛いです。

メロディに使いにくい音の条件をご説明しましたがもう一つ、
メロディの最初の音においては、更に条件を絞り込むと自然な始まりになりやすいです。

最初の一音にオススメなの絞り込み条件

それは、メジャーキーで言う「1度・3度・6度」の音を使う事です。

今回はCメジャーキーですので、「」と「」と「」になりますね。

「ソじゃないんかいっ!」ってなりますよね…実際「ソ」でも悪くは無いですが、
ド・ミ・ラの方がよりしっくりくるかな?と思っています。

理由を一言で言うと「トニックコードのルート音だから」になります。

この詳細はちょっとややこしい理論の説明が必要になるので、気になる方は以下の記事から。

※音楽理論についてそれなりの前提知識が必要になります。

最初の音を選ぼう!

小難しい理論は置いといて早速、最初の音を決めましょう!

先程の条件を纏めると、最初の音は、

  • コードの構成音
  • メジャーキーでの1度・3度・6度

の二つを満たす音を選べばOK。

では最初のコード構成音は何でしたっけ…?

なんと好都合な!Amだったため構成音は「ド・ミ・ラ」、
もう1つの条件と完全一致です!

と言う事であとは簡単ですね。

Cメジャーキーの1度か3度か6度、即ちド・ミ・ラの内から好きな物を選んでね

音を選ぶ際は最初の1音だけを動かしても良いですが、
動画の様に全部まとめて動かしてしまうのも良いと思います。

続く音を動かしていく

最初の音が決まったら、次の音もどんどん決めていきましょう!

これ以降の音についても基本は同じで、コードの構成音から選ぶと無難ですが、
それだけだとちょっと味気ないですよね?

そこでおすすめなのが、

  • コードの切り替わり同時に鳴る音だけは、コードの構成音にする
  • 切り替わった後は少し他の音も使って遊ぶ

という選び方です。

コードの切り替わり部分を決める

と言う事でコードの切り替わりにあたる部分に注目してみましょう。

今回は主に付点4分音符のリズムなのでコードの切り替わりと同時になるメロディの音符は、

この二つになりますね。(うわっ…題材として不適過ぎた…)

手前の方は最初の音として先に決めてあるので、二つ目の3小節目最初の音を変えましょう。

この音と同時に鳴っているコードはGメジャー、「ソ・シ・レ」ですね。

順番に変えていってみましょう。

順番に、ラ→ソ→シ→レと変えています。

今回は「」にしておきましょうか。もちろん、「シ」や「レ」を使ってみても大丈夫です。

メロディの始まりではないので、最初の音に比べて許容範囲は広めです。

さて、この時点でもそれなりに無難なメロディになってはいます。

ただ流石に素朴過ぎるかもしれません。

「もっと変えてみたい!」そう思った方、その思いがオリジナリティの始まりです!

あとはこれまでお伝えした条件を参考にしつつ、色々音を動かしてみましょう!

流石に自由過ぎると取っ散らかって難しいかもしれないので、
これまでの条件を汲みつつ、メロディとしてまとまりが出る法則をお教えします。

案①:1音だけ隣のコード構成音にズラす

1つ目はコード構成音の隣にズラす作戦です。

今回は2小節目のFメジャーコードと、4小節目のCメジャーコードの時に、

  • 2小節目:真ん中の音をラからに変更
  • 4小節目:真ん中の音をラからに変更

という変え方をしました。

音は変わってもコードの中の音なので、響きも不安定にならず無難です。

案②+③:コードの構成音以外を使ってみる+動きに一体感を持たせる

今度はコードの構成音以外も使ってみます。

1~2小節目の「」も、3小節目の「」もコードの構成音ではありません
※4小節目だけはCメジャーコードの構成音です。

時には構成音から逸れてみても、変化や新たな響きが生まれて綺麗になりやすいです。

この時、スケール内で隣の音を選ぶようにすると、滑らかに繋がりやすいです。

ただし、後述するアヴォイドノートには要注意です!

また、動き方も重要です。

今回は偶数回目の音符を下げることで「上・下」という流れが生まれましたが、
これをバラバラにし過ぎると、適当に音を選んだだけの様になるリスクがあります。

これについても後述します。

メロディが出来ましたか?おめでとうございます!

あなたは「作曲」が出来ました!

トラブルシューティング:上手く行く理由・行かない理由

…なんて上手くいったら苦労しないんですが、
「納得いく仕上がりにならない!」と言う方もいらっしゃると思います。

ここからはそんな方向けのトラブルシューティングを幾つかお見せします。

サクッと探したい時は以下のリストを参照してください。

  • スケール外の音を使ってしまっている
  • 音を飛ばし過ぎ
  • アヴォイドノートを使ってしまっている
  • 4度(ファ)7度(シ)の使いどころ
  • リズム変えてしまった・変えたくなった

スケール外の音を使ってしまっている

1つ目はスケール外の音を使ってしまうケース、初心者のミスの様に見えて意外とやりがちです。

当然ながら不協和音を連発するためほぼ確実に不安定で気持ち悪くなります。

安定した響きになり易い音を選んだ組み合わせが一般的なメジャーやマイナーのスケールなので、
そこから外れれば不安定になるのは明らかですね。

ただDAWで操作していると、動かす先がズレたりして結構やらかしてしまいがちです。

まずは全ての音符がこの曲のスケール、Cメジャーキーに収まっているか確認しましょう。

音を飛ばし過ぎ

音を飛ばし過ぎと言うのは、音符を上下にランダムに動かし過ぎたり、
余りに遠くへずらし過ぎてしまうことです。

先ほど紹介した、「案③:動きに一体感を持たせる」が抜けてしまっている状態です。

これはメロディを作る時、かなりやってしまいがちだと思います。

前半を「上・下・上・下」、後半は「下・上・下・上」にした場合

このくらいならまだ問題ないですが…

とにかく動かしまくってみた

ここまでバラバラかつ各音符が遠くなっていると、地に足のつかない落ち着きのないメロディになってしまいます。

ソロパートなどでは使えるケースもあります。
ランダムになるため、「キャッチーさが欠ける」のが問題になりやすいです。

アヴォイドノートを使ってしまっている

3つ目は「案②:コードの構成音以外を使ってみる」で出てきたアヴォイドノート

これは不安定な響きになってしまうため避けることが望ましい音の事です。

試しにアヴォイドノートを連発してみましょう。

選択された白いノートがアヴォイドノートです。

前半はメロディの「コードの「と、
後半はメロディの「ファコードの「と半音でぶつかるアヴォイドノートになっています。

メロディとコードの噛み合いが悪くなってしまうため、単体で聴くと問題なく聴こえても、
合わせた時に「おや?」という違和感になりやすいです。

今回はメロディの音色が、デチューンがブワッと広い音なので、比較的気になりにくい気もしますけどね
この辺の音色問題はややこしいので割愛!

4度(ファ)と7度(シ)の使いどころ

さて、アヴォイドノートの話で、ファとシが相当な曲者というイメージが付いてしまったかもしれません。

確かに下手に使うとアヴォイドノートになるなどの問題になりやすいですが、
効果的に使う事で逆にとてもエモいメロディを生み出せるチャンスもあるのがこの2つの音です。

例えばこんな感じはいかがですか?

白くハイライトしたのが「ファ」や「シ」なのですが、さほど違和感は無いと思います。

ここでは、「ファ」をFメジャーコード「ファ・ラ・ド」の中に忍ばせ、
「シ」もGメジャーコード「ソ・・レ」の中に入っています。

このように、コードの構成音であれば十分使えるチャンスがあります。

逆に言えばこれらのコードを鳴らしている間は、
「ミ」や「ド」がアヴォイドノートになる点に注意です!

一方こちらはAzure Expressway原曲ですが、ハイライトされた白い「シ」の音は、
タブーと言ったはずのアヴォイドノートです。

基本的に避けた方が良い音なのですが、今回は試しに使ったらそこまで気にならず、
次の音への繋がりメロディの折り返しとして機能すると考えた結果、を採用しました。

ちなみにこれをアヴォイドノートでない「ド」に変えると?

こんな感じ、まあどちらでも良いですね。この辺は好みです。

リズムを変えてしまった・変えたくなった

また、メロディ作りに音符を動かしていて、意図せずヨコに動かしてしまう、
即ちリズムがズレてしまうこともあるかと思います。

こんな感じで意図せず変わってしまった時は、慌てず位置を戻せば済みます。

一方で、「リズムが気に食わない」「Azure Expresswayと同じだから個性が出せない!」
と言った理由でリズムを変えたくなることもあると思います。

結論、変えてOK!そうやって個性を作っていきましょう!

ただし、その場合はヨコイチから決めなおすことになります。

つまりもう1回、リズムを決めた時同様に一定の音で、ヨコの位置だけを定めるということです。

※今回は音は「ラ」にしました。

こんな感じで同じリズムを何度か繰り返すと、親しみやすいキャッチーなリズムになります。

逆に毎回リズムを変えると、ドラマチックに出来る可能性が上がる半面、
一貫性が無く採っ散らかったリズムになるリスクも増します。

腕前や目指す方向性なども考慮し、好きなリズムを狙ってみましょう!

おまけ:間違いを受け入れる心

最後にトラブルシューティングでも無いんですが重要な考え方を。

それは、間違い・ミスがあったって良いという気持ちです。

時にはこれまで挙げたような、トラブル・ミスも逆に良い事があります。

実際にAzure Expresswayでは、聴いていて問題なかったためアヴォイドノートを鳴らしています。

また実際に自分で作っていると、何がどう変なのか分からなくなることがしばしばあります。

こういった時は一度作業の手を止め、日を改めて聴きなおすのも良いでしょう。

間を置いたり別の作品を聴いたりしてそれでも、

  • 違和感が有る気もするし無い気もする
  • 何かが変なんだけどどうすればいいか分からない

そんな時は、いっそのこと勇気を出してそのまま完成品してしまいましょう!

これは芸術誰かに決められた答え無い世界

自分が決めて完成品にした時点で、貴方だけが正解です。

もしかしたらそこには明確な誤りがあって、他の誰かや未来の自分なら解決できるかもしれない。

でもここで「今の自分のベスト」を置いて、成長のスタート地点として軌跡を残すことこそが、
今の貴方に打てるベストアンサーではないでしょうか?

作曲出来た!その次は?

さて、今の自分を受け入れメロディを固める勇気が出ましたか?

こんなことを言っておきながら、曲として肉付けするにはまだやるべき工程が残っています。

そんな今後のやることリストを、ちょっとチラ見せしておきましょう。

編曲

作曲の後と言えば大抵「編曲」という言葉が出てきます。

ここでは作曲して生まれたメロディとコードという音楽の赤ちゃんに、
色んなオシャレをしてあげます。

楽器・パートの追加

今のままでは音が2つしかなくて寂しいですよね?

なら楽器を増やし、各担当パートを演奏してもらいましょう。

曲展開

今は僅か4小節をループさせるしかできません。

ここへ、楽器の抜き差しなどを活かした変化を付け、ドラマチックな1曲にします。

音色の変更

追加した楽器もですが、既に決めた音についても何か気になる所があったら、
その都度変えたりもします。

細かい打ち込み

決められたコード構成音の並び、オクターブで鳴らさなければいけない決まりはありません。

必要に応じてオクターブを変えたり、リズムにちょっと変化を付けたり、
少し癖を付けたりしてより聴きごたえある音源にしましょう。

仕上げ

編曲が終わったらいよいよ仕上げ!

ここまで上手く出来るようになると、他のプロクオリティな作品と勝るとも劣らない、
かなり綺麗にまとまった音源に出来ます。

ミキシング

それぞれの音を個別に調整し、バランス取りします。

マスタリング

全ての音をまとめ上げ、様々な環境で問題なくイイカンジに聴こえるようにします。

…と言うのが本来のマスタリングの姿なのですが、特に同人音楽では専ら音圧稼ぎと見做されがちです。

まとめ

ということで今回は以上となります。

長丁場の作曲解説となりましたがついてきた方、大変お疲れ様でした!

今回はフリーBGMのAzure Expresswayを元に解説しましたが、この作曲法は、
インスト・ボーカル問わず様々なスタイルでメロディを作るのに有用です。

この記事で作曲を試した後は、ぜひともあなたの思う、
こんな音楽が作りたいんだ!」を形にする為に、この方法をお試しください。

今までの苦労が嘘のように無くなり、作曲家デビュー出来る事を祈っています。

それでは、オヤカマッサン!