皆さんごきげんよう。IWOLIです。
今回はKawaiiFutureBassの具体的な作り方・構成を解説します!
これまではジャンルの概要や、
参考楽曲を例に挙げた別ジャンルなどとの比較でしたが、
この度、過去にも紹介した”SUMMER TRIANGLE”を題材に、
こちらを耳コピしましたので、そのプロジェクトファイルを見ながら、
KawaiiFutureBassがどのように作られるのかを見ていきましょう!
また、そもそものジャンル概要については、
過去に以下の記事にて解説していますので、
「まだ見てないよ!」という方はこちらもご覧ください!
Contents
原曲”SUMMER TRIANGLE”の確認
まずは”SUMMER TRIANGLE”の原曲から聴いていきましょう。
この通り、この曲はDOVA-SYNDROMEさんというサイトで配布されているフリーBGMなのですが、
もう有り得ないクオリティの高さです…
どう考えても無料で配っていいものじゃない。
現在はこのサイトでの投稿を辞め、
Youtube個人チャンネルで活動されているそうです。
配布サイトにてしゃろうさんは「Future Bass系楽曲」とされており、確かにそんな感じのサウンド感なんですが、
Marshmello氏などが生み出した本家本元のFuture Bassに比べてよりギミックが多いため、
今回KawaiiFutureBassの参考楽曲として活用させていただきました。
特に今回は楽曲の特徴が特に強く出る、
0:33から始まる最初のドロップ(サビ)部分に着目して解説していきます。
耳コピした物の確認
では…僕がコピーした物もお聴きいただきましょう。
大丈夫かな…
ど、どうでしょうか?ある程度再現出来ているでしょうか?
他にも鳴っている音の聴き洩らしや、オクターブ違いなどあるかもしれませんが…
ともかくそこそこKawaiiFutureBassらしく出来た所で、
こちらの各パートを解説していこうと思います!
鳴っている楽器構成の紹介
という事でこの耳コピデータで使われた楽器、
各トラックで何が鳴っているかを解説します。
このデータで使ったトラック数は13となっています。
不吉な

内訳は、
- シンセリード:2本
- シンセプラック:1本
- ドラム系:6トラック
- パッド用SuperSaw:1本
- ピアノ:1本
- シンセアルペジオ:1本
- サブベース:1本
となっています。
また今回はなるべく無料音源のみを使う事に拘ってみました!
一つずつ解説していきますね!
リード・プラック系
リードレイヤー
まず1番目立つリードです。
今回は2本レイヤーしているのです、が。
音がこんな感じです。
1本目はまあリードシンセらしい目立つ音ですね。
無料シンセであるVitalでつくったのですが、
1本に見せかけてこの音が実は、

こんな感じで2つのOSCが合わさっています。
詳細はまた次回解説しますね!
そして一方の2つ目は
この通り、最早プラックである。ベルかもしれない。

この通り、右上のENV 1が切り立っていますね。
別に1つ目のリードだけでも成立はしたのですが、
原曲がこんな感じのアタックがはっきりした音も聴こえる気がしたので加えました。
性質の違うリードに加えてこういったDecayの短い音も重ねるのはよくあるテクニックですね。
プラックのオブリガート
そして、3つ目のトラックのシンセプラック、
こちらがメインとは別のメロディを奏でます。
メロディの折り返し部分ですこ~し聴こえる音ですね。
リードが長い音で引っ張り、動きが減ったタイミングで、
別の音が装飾に入る。
こういった音の出入りの多さがFuture BassとKawaiiFutureBassの違いの一つな気がします。
こちらも無料シンセのVitalで、

こんな感じの音を使っています。
ドラム系
次にドラム系を見ていきましょう。
一部をサンプラーにアサインしているため、
メイン画面では分かりませんがこれらの音色は、

キック

スネア

全体
この通り、全て”Cymatics”というメーカーのサンプルを拝借しました。
ここの”Future Bass Starter Pack”という無料サンプルの音のみで構成されています。
DTMerの間では結構な知名度ではないかと思います。
まだ持ってない方は急げ!いつか無くなっても知らんぞ!!!!!
キック・スネア
ドラムにおいて特に重要なのがやはりキックとスネアです。
分かりやすいようにさっきのプラックの方と一緒に鳴らしています。
以前の記事でも解説した通り、
KawaiiFutureBassにおける基本のリズムはハーフテンポ(ハーフタイムとも呼ばれる)です。
この曲はBPMが175ですが、この場合、
- キックを2拍目か3拍目(もしくはその両方)に置かない
- スネアを3拍目に置く
という配置にすることで、
あたかもテンポがBPM87.5になったような、
遅いテンポに聴こえるようになります。
逆に、これを破ると一気にリズム感が変わり過ぎてしまいます。
キックを1・2・3拍目全てに置いた場合
スネアを2・4拍目に置いた場合
うん、普通にカッコいいかもしれない。
…ですが!やはりハーフテンポとしては成立しておらず、
典型的なKawaiiFutureBassからは逸れたと言わざるを得ないでしょう。
少なくとも、「これぞKawaiiFutureBass!」なハーフテンポのリズム感を強調したいなら、
キックとスネアの配置には気を付けましょう。
実際にハーフテンポではないリズムで、
疾走感を強調したスタイルも存在します。
こういったスタイルは”Futurecore”と呼ばれ、こちらも人気があります。
シンバル・装飾系
残る4つの音は、高い音域で装飾するドラムです。
ハイハットなどのループや、
クラッシュシンバル、あとはメインとは別で強調されたスネアなどですね。
初手のスネアでビビりますねこれ…すみません。
ハイハットループ
ループについては何も考えずにただ貼り付けてループさせただけです。これ公開してよかったんだろうか
ちょっとTrapっぽいのに加え、可愛げのある音も一緒になっていて丁度いいですね。
ただドロップの折り返し部分で原曲では、
メロディやコード音を強調するような演出が入っていたため、
そこを邪魔しないためにハイハットやキックの音を切っています。

クラッシュシンバル
クラッシュシンバルは王道な使い方である、
冒頭に置いたのに加えて、
結構な頻度で小さく連打されているのが聴こえたのでかなり連発しています。
ただ、冒頭ド頭で鳴らすような迫力で連発されるとうるさすぎるので、
結構音量を絞って鳴らしています。
タイミングは後述するコードシンセ、SuperSawとほぼ同時ですね。
またラスト部分で「シュワアアアア!」と盛り上がってくる音が聞こえたので、

こんな感じで最後にクラッシュシンバルを反転した物、
リバースシンバルを配置しました。
こういった演出もEDMでは定番ですね。
”Riser”などと名付けられた音も似た役割を持ちます。
どちらを使うかは好みで決めて問題ないでしょう。
装飾用スネア
こちらはなんか聴こえるから別で用意して追加しました。(適当か)
冒頭、折り返し、終わり際に配置されていて耳を惹きますよね。

この3回くらいしか聴こえない音が真のスネアという可能性もありますが…
役割は似ているので問題ないでしょう(適当過ぎる)
コード楽器系
お次はコード楽器系、
SuperSaw・ピアノ・アルペジオの3本を解説していきます。
SuperSaw
まずSuperSaw、スパソですね。
これは結構重要で、KawaiiFutureBassのKawaii感に関わってきます。

音源自体はVitalで、OSCも2基だけなのですが、
細かいモジュレーションや打ち込み方で雰囲気が結構変わってしまいます。
今話すと長すぎるのでこれは次回以降に!
ピアノ
これは最後、落ち着く瞬間にだけ現れる音ですね。
ホントなんの加工もない手抜きですみません…

実はこれだけ有料のSampleTank4から持ってきているのですが…
今回使った”Berlin Grand Piano Natural”については、
無料版のSampleTank4 CSでも使えたと思います…!
使えなかったらすみません
コイツを最後にいい感じに配置してエモい締め方にする、
ホンマにセンス良い曲やでぇ…
アルペジオ
悦に入ってないでアルペジオに移りましょう。
16分音符で動き回っていただいています。

音源はこちら、Synth1です。久しぶりに使った。
やはりArpeggiatorがホントに使いやすい。
軽率に入れたくなりますね。
さっきのVitalのSuperSawとほぼ同じコードを引き延ばしているだけで、
いい感じに小粒の音で埋め尽くしてくれます。
注意点の一つ目は、原曲でもこういった音は、
耳を凝らせば僅かに聴こえる程度だったため、
かなり音量を絞って鳴らしています。
全体で聴くと聴き分けるのは結構難しいのではないでしょうか。
もう一点は、コード進行の中で少し変則的なパートがあるので、
あまり変になり過ぎないように一部の音を削っています。それでもちょっと変かもですが
ベース
さて、最後は土台のベースです。
KawaiiFutureBassと言うだけあって大切なのは言うまでもないですが、
FutureBass系では重要なのはキラキラしたウワモノなので、
ベースは極低音のみを担当するサブベースだけということも多いです。
今回もベースはあまり強調せずサブベース1本です。
こんな感じの重低音しか鳴っていない、
倍音もほとんどないベースですね。

まあOSC2本レイヤーしてるんですけど。
僕はサブベースを、Sin波で作る派なのですが、
この場合倍音がホントにないため、一部の帯域が欠けてしまうことがあります。
そこを補うために1オクターブ上を小さ~く重ねる、というテクニックをよくやります。
めっちゃくちゃ為になる動画ばかりなので是非に!
Filterで削る事でサブベースにするテクニックもあります。
僕はあまりやらないですが…。
そして今回は雑にやり過ぎてやってないですが、
実際に曲をミックスする時はサイドチェインによるダッキングを忘れないようにしましょう!
これも長くなっちゃうので別の機会で!
まとめ
これで各パートの解説完了です!
お疲れ様でした!
といっても、これだけじゃ作れないよ!って感じかもと思いますので、
今後更に細かく見ていきますよ!
このシリーズを通してKawaiiFutureBassの作り方をマスターしていってくださいね!(出来るのか…?)
んではオヤカマッサン~!
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