自作Remix解説シリーズ:「メズマライザー Full Flavor Remix」に登場するジャンルたちを一挙解説!

皆さんごきげんよう。IWOLIです。

自作Remix解説シリーズの第一回という事で今回は、

先日公開したメズマライザー Remixに登場した様々なジャンルたちを紹介します!

原曲もかくやというかなり混沌としたアレンジな上に、

そもそも本来のジャンル感に寄り切れていない部分もありますが、

あくまで傾向の参考がてら、お付き合いくださいませ。

そもそもFullFlavorとは?

まずは楽曲をお聴きいただきつつ、

そもそもコンセプトの”FullFlavor”とはなんぞやというのを解説します。

Remix、原曲の確認

こちらがそのRemixです。

この記事に来られた時点で説明不要かとも思われますが原曲はこちら!

ではRemixの解説に移りましょう。

FullFlavorとは?

FullFlavorとは「いっぱいの風味」という言葉が意味する通り、

「1曲の中に様々なジャンルの要素が散りばめられ、

複雑な絡み合いや変化が含まれるジャンル」です。

もうその時点でカオスな曲調が想像できますね。

メズマライザーの場合、原曲が既にかなりサイケデリックで個性豊かですが、

曲調自体は全体的に統一感があるパートが多いと思います。

2番冒頭の催眠に掛けるシーンのような変化もありますが、

  • 大部分がシンプルな四つ打ちであること
  • 楽器・曲調がガラっと変わるシーンは多くないこと

などから少なくともFullFlavorではないでしょう。

そこを今回僕は「あのメズマライザーをもっと混沌とさせる!」と意気込み、

リズム・楽器・曲調・BPMを度々変えるアレンジを敢行しました。

FullFlavorの一例

曲の細かい説明に入る前に、FullFlavorがどんな曲かの例をご紹介します。

例えばこちら!

とにかく多彩なかめりあさんはこういったジャンルがまさに十八番です。

タイトルにもある音頭調な所から、度々ジャンルを変えていきます。

お次はやっぱこちら!

FullFlavorと言ってこれを紹介しないわけにはいかないでしょう!

こちらも幅広いジャンルを得意とされるぱらどっとさんならではですね。

僕がFullFlavorを知ったきっかけもこの東方アレンジです。

そして自作して墓穴を掘った懐かしき記憶…

U.N.オーエンの人気も相まって再生数は余裕の7桁!!!

ボーカルもないためジャンルの切り替わりは特に分かりやすいかもしれません。

とにかくこのような感じで、小節やフレーズのキリを境に、

全く別の編曲になったり、BPMまで変わっていくスタイルです。

もう一つのFullFlavor

一方で、”FullFlavor”で調べるとこんなスタイルもヒットします。

というか海外ではこちらが主流なのかもしれませんが…

この曲、特に始まりから1:50辺りまでは特にBPMの変化もなく

「ただのHouseじゃないの?」という感じがします。

段々と変化はしていくので、確かに複数ジャンルを絡めた

僕らの知るFullFlavorではあるのですが…

ではこちらは?

どうでしょう?

曲全体でBPMの変化もなく

曲全体の雰囲気は「エスニックで個性的なサイケ」という感じからあまり変化しません。

これらの楽曲を生み出したKaretusは自身のスタイルを

”Full Flavor Effect”と呼び、ジャンルに囚われないパフォーマンスを売りとしていますが、

少なくとも先に紹介したような、僅かな時間でジャンルを切り替えていくタイプとは異なっているように思えてなりません。

これらがあくまで黎明期の姿に過ぎないのか、

コンポーザー、土地柄などによる差なのかはまだ分かっていません…

今回僕が作ったのはKaretusのスタイルとは違う、

日本人が作りがちなスタイルですが、

時代的にも”FullFlavor”を提唱したのは恐らくKaretusでしょうし、

彼らへのリスペクトも忘れないようにしたいものです。

ちなみに一般的な単語、言い回しとして”FullFlavor”を調べると、

「いやらしい」「汚らしい」といった訳が出てきます。

さしずめ、いろんな味が混ざり過ぎてよくわかんないという意味でしょうか。

ただ釈然としたヒットがない辺り、あまり一般的な言い回しではなかったのかもしれません。

確かにFullFlavorって、変化があって楽しくはあるけど、

クラブで聴くには変化が激し過ぎて踊りにくそうではありますね。

登場するジャンルたち!

ではお待たせしました!(待ってたのか…?)

「メズマライザー Full Flavor Remix」に登場する、

様々なジャンルを紹介していきます。

まずはジャンルたちと、そのタイミングを一気に列挙します!

  1. 0:00~:Electronica BPM:132~140
  2. 0:15~:Hi-Tech Fullon BPM:154
  3. 0:21~:Techcore BPM:170~174
  4. 0:27~:Liquid Funk BPM:174
  5. 0:38~:UK Hardcore BPM:178
  6. 0:49~:Future Bass BPM:172~185
  7. 1:00~:Breakcore BPM:190~195
  8. 1:10~:Frenchcore BPM:200
  9. 1:22~:HiTech BPM:~190
  10. 1:32~:Psychedelic Trance BPM:140
  11. 1:46~:Schranz BPM:150
  12. 1:59~:Bon-odori Ondo(盆踊り) BPM:136~
  13. 2:12~:Nu Style Gabba BPM:180~220
  14. 2:23~:Uptempo Hardcore (Piep Kicks) BPM:240
  15. 2:30~:Uptempo Hardcore (Zaag Kicks) BPM:240
  16. 2:38~:Speedcore BPM:480
  17. 2:46~:Splittercore BPM:960
  18. 2:50~:Suizidecore BPM:1,920
  19. 2:53~:Extratone BPM:3,840
  20. 2:54~:Supertone BPM:19,200-96,000
  21. 2:54~:Hypertone BPM:2,641,920
  22. 2:58~:Eurobeat BPM:158

BPMも表記しましたが、途中で変わるものには「~」を付けました。

(範囲が書かれていないものは滑らかに変わっているので分からない部分です)

3分20秒の間に22個もあったんですね…(キックを変えただけの⑭・⑮とか、BPM上げただけの物もありますが)

ここからそれぞれについて解説していきます!

Electronica

トップバッターはElectronicaです。

このジャンルですが、初手からかなりの曲者です。

エレクトロニカ、よく「エレクトロ」とか「エレクトロハウス」なんかと混同されることもありますが、

こちらは電子音楽のジャンルの中でもどれにも属さない

まさに「その他の電子音楽」という感じです。

電子音楽を包括的に「エレクトロニカ」と呼ぶ例もあるようですが、同じく包括的な意味の「テクノ」同様にあまり使われない印象です。

やはり狭義のジャンル名と一致していると紛らわしいですからね。

その他の電子音楽、つまり他ジャンルなら、

「4つ打ちである」とか、「ハーフテンポである」などといった何らかの共通点がありますが、

それらの共通点も、ジャンルとしての決まり事も片っ端からガン無視した、

余りにも自由過ぎ、余りにも実験的過ぎるジャンルたちです。

そのためある程度の共通点こそあれど、ジャンル全体での一貫性は無いに等しいジャンルです。

強いてあげれば、

  • 電子音がある
  • 複雑なビート
  • グリッチノイズが入る
  • アンビエントな雰囲気

ぐらいが共通点でしょうか。

作る時も参考に出来る物が無さ過ぎ(共通点が見えない)ため難航したパートの一つです。

今回は、響き渡る声・まとわりつく様なアンビエント・捻ったリズム・癖のあるベース

などを意識しました。

Hi-Tech Fullon

イントロのリフに入ると一気に雰囲気が変わり、

”Hi-Tech Fullon”(ハイテックフルオン)になります。

こちらは比較的分かりやすいでしょうか。

これは後にも出てくる”Psychedelic Trance”(略してPsy Tranceから派生したようです。

Psy Tranceの中でも激しいベースやリードが特徴的な、

”Fullon Psy Trance”系のジャンルに、

これとは別の”Complextro”という、House系のサウンドが融合!

TranceのBPM140~160くらい太いキックに、Complextro由来の複雑なベースが噛み合って、

強く激しくアゲアゲなジャンルが完成しました。

キックもPsy Tranceの割には強めなことも多いので、

もしかしたらHard Tranceの影響もあるかもしれません。

ただ今回はこのジャンルもあまり自信がありません…

次との繋ぎを考えたせいで、

Hi-Tech Fullonの割にBPMが速いのもありますが、

あまりベースを目立たせられなかったり、このジャンルらしい畳み掛け方には出来なかったりなど、

割と反省点の多いパートになってしまいました(汗)。

ジャンル名の略称

ネットで調べようとすると、このジャンルの事をを度々

ハイテック」と呼んでいるケースが見られます。

ただこう言ってしまうと、後述するサウンド的には全く別物と言わざるを得ないジャンルと

名前が駄々被りしてしまいます。

恐らく両者は別々に派生していく中で名づけが被ってしまったのだと思いますが、

余りにややこしいので略さない方が伝わりやすいとは思います。

というかどっちも好きだから喧嘩しないで…(懇願)

Techcore

また”Tech”です。

”Techcore”(テックコア)、これはさっきのHi-Tech Fullonを加速させたものです。

Hi-Tech Fullon×Hardcoreということですね。

本当にそれだけなのですが、独自進化と言いますか、

BPM170越えに合わせてということなのか若干雰囲気の違いがあります。

TechcoreはHi-Tech Fullonに比べ、ベース音のパターンを抑え

リズムパターンで魅せる曲が多い傾向を感じます。

今回のRemixでも、(実は後ろでHi-Tech Fullonと同じ音が鳴っているのですが)

目立つ一本のベースを、余り音程や音色を変えずに連打してみました。

Liquid Funk

ここからはかなり分かりやすく、編曲もしやすかったジャンルが続きます。

Aメロ前半は”Liquid Funk”(リキッドファンク)

ドラムンベースのサブジャンルですね。

まずドラムンベースDrum’n’Bass)とは、BPMが174辺りで、

特にキックのリズムが特徴的なジャンルです。

「ドッタン…ッドタン」という、遅れてくるキックが、

シンプルな4つ打ちにはない大人びた雰囲気を生みます。

実際にはこの限りではないですが…割愛!

そして、この速くてちょっとノッているリズムであればDrum’n’Bassになるわけで、

その中でも恐ろしいくらい色んなサブジャンルがあります。

今回の”Liquid Funk”はその中でも特に親しみやすいジャンルですね。

「ふわ~~」っと流れるような綺麗な空気感メロディなど、

エモさ聴きやすさが特徴です。

逆にそういった綺麗な要素を徹底的に潰し、

ドラムをガンガン激しいものにしたり、

ドラムンベースという名の通りベースをギョワギョワ激しくしたり、

というサブジャンルもあります。いずれはやりたい所ですね。

UK Hardcore

お次も親しみやすいジャンルです。

”UK Hardcore”(UK ハードコア)はアップテンポな四つ打ち、

”Hardcore Techno”(ハードコアテクノ)から派生しました。

名の通りイギリスで流行したものです。

かつて、Hardcore Technoは滅茶苦茶に歪ませた

「ブウウウン」というド派手なキックが目立つ、

五月蠅くて激しいジャンルでしたが、

UK Hardcoreは逆に、Tranceなどに由来する強いけどシンプルなキック

キラキラエモエモシンセリードなどを乗せることで、

アップテンポかつ聴きやすいジャンルに派生しました。

ここは個別に解説している記事もありますので、

詳しく気になる方はそちらへ!

Hardcoreのサブジャンルを紹介!~UK Hardcore系

Future Bass

次はBメロとあって一気にスピード感を落とします。

”Future Bass”(フューチャーベース)は2010年代辺りに生まれた比較的新しいジャンルです。

”Kawaii Future Bass”(カワイイフューチャーベース)という名前の方が馴染みがある方も多いでしょうか。

特に、ハーフテンポという「リズムが半分に聴こえるゆっくりしたリズム」が特徴的なジャンルです。

キラキラしたシンセや、刻まれた音(カットアップ)なども特徴ですね。

こちらも別記事で詳しく解説してますのでそちらへ!

FutureBassとは何か?Kawaii Furue Bassなど、似たジャンルとの違いも解説!

ただ今回のRemixで問題となったのがBPMテンポです。

一般的にFuture Bassとされる曲のBPMは、

120~140辺りに収まっていることが多いです。

一方メズマライザーRemixではなんと低くても172

Kawaii Future Bassであれば有り得るレンジではありますが、

Future Bassと呼ぶには少し苦しいですね…

ただ、Kawaii要素はあまり入れておらず、純粋なFuture Bass要素以外は入れていないので”Future Bass”としました。

リズムもシンプルにしたつもりですが、それでも派生ジャンルである”Futurecore”っぽさは否めないですね…

”Futurecore”についても上記記事で解説しています!

Breakcore

ここで一気に激しくなります!

サビ前半は”Breakcore”(ブレイクコア)

さっきのドラムンベースにも使われるブレイクビーツというテクニックを、

更に細かく複雑にすることで激しくしたジャンルです。

名前に”core”とついており、Hardcore系の一種とはされますが、

単純な4つ打ちではなく複雑で理解しづらいリズムな事が多いのはこのブレイクビーツが故ですね。

今回はほとんどがブレイクビーツの組み換えのみですが、

もっと色んな音を使っている事もあります。

以下の記事で、参考例も紹介しています!

Hardcoreのサブジャンルを紹介!~ハード系

Frenchcore

こちらも激しい!

”Frenchcore”(フレンチコア)はその名の通りフランスで派生したHardcoreです。

キックベース」と呼ばれる、「ドン!ベーッ」というキックとベースの音が特徴です。

またBPMほぼ200であることが多いです。

かなり速いですが低音も相まって踊ってて楽しいんですよ…!

例によってこのジャンルも以下の記事で紹介しています。

Hardcoreのサブジャンルを紹介!~超スピード系

(いい加減しつこいなスミマセン)

HiTech

さて、またガラッと変わります。

そして、これぞさっき言った「ジャンル名被っててクソややこしいジャンル」です!

”HiTech”(ハイテック)はPsychedelic Tranceの一種です。

そこまではHi-Tech Fullonと同じなので余計ややこしいですね。

ただ、さっきのHi-Tech Fullonは、

Fullonに色んな別ジャンル複雑な音を合わせたもの

だったのに対し、

HiTechの方は、

Dark Psy Tranceをとにかく高速化させたもの

という傾向です。

Dark Psy TranceとはFullonとは逆に無機質だったり、

不可解なシンセの効果音を組み合わせた、

ストイックで不思議なサウンドが飛び交うジャンルです。

これを高速化した上で、更に機械的・金属的な音をマシマシにしたものがHiTechです。

速いけど無機質他を寄せ付けない感じが、サイトランス界隈では好まれ

むしろこのHiTechの方が評価されやすいようですが、

やはり日本のメジャーシーン・ポップ層には相当ウケにくいのか、

日本語検索だとHitech Fullonの方がよほど引っ掛かりやすいイメージがあります。

Psycoreって?

過去記事でも解説したことがありますが、

Psy Tranceの派生ジャンルに”Psycore”(サイコア)というのもあります。

”core”付ジャンルの例にもれずこれも高速ジャンルなのですが、

”HiTech”(Fullonが付かない方)を”Psycore”と呼ぶことがあるようです。

一方で、”HiTech”と呼ばれない”Psycore”も…?

続きはココで!

Hardcoreのサブジャンルを紹介!~ハード系

Psychedelic Trance

さて、散々派生ジャンルばっか出てきていましたが、

やっと出てきました。”Psychedelic Trance”(サイケデリックトランス)

略して”Psy Trance”(サイトランス)やサイケと呼ばれます。

様々な種類がある”Trance”の中でも、低音に重きを置いたジャンルだと思っています。

キックベチャっとしていたり、

連打されるローリングベースがあったり、

ウワモノとして複雑にベースラインが鳴ったり、

奇妙な効果音が飛び交ったりと、

明るいTranceを聴いてきた人にとっては「ん?」っとなるジャンルかもしれません。

ですが低音が豊かなのでそれが良く響く環境だと凄くグルーヴィー踊れるジャンルです!

ちなみに今回は、2番の冒頭部分というリズムパターンが三連符になるパートで採用しましたが、

別にPsy Tranceは三連符という訳ではないです。知ってる方には「当たり前だろ」って突っ込まれそうですが…

というかむしろ三連符が多いという訳でもないと思います。

ただ、他ジャンルではもっと少ない所が、しばしば用いられるスタイルがあるかな?というのと、

Psy Tranceの三連符パートが結構好きですぐに想起しちゃったので三連符主体で採用しました。

Psy Tranceのサブジャンル

このサイケ、さっきのドラムンベースとは違ってシンプルな4つ打ちだし、

曲調も明るくはし過ぎず、むしろベース主体ダークさやストイックさを押すなど、

かなり制約が厳しいジャンルであるにも関わらず、

何故か夥しい数のサブジャンルに派生しています…

さっき出てきた、”Fullon Psy”(フルオン)や、

”Dark Psy”(ダーク)はそのほんの一部にすぎません。

何故こんなに派生したのかも分からないし、

そんなに分けるべきな程、大きな差があるとも思えません…

サイケにわかだからなんでしょうけど。

Schranz

お次は同じくストイックなジャンルですが、

よりパーカッシブです。

”Schranz”(シュランツ)”Techno”(テクノ)の一種。

ここでいうTechnoは、狭義の方ですね。

元々がTechnoは機械的な音が多く、とにかくシンプルな曲展開に合わせて踊るようなジャンルですが、

それを低音マシマシ太く激しくしたジャンル、

”Hard Techno”(ハードテクノ)から更に強化された、

とても無機質なサウンドが特徴なのがこのSchranzです。

キックだけでなくベースですら一般的なシンセベースではなく、

キックの音を加工してベースとして流用する(意味不明)作られ方をしたり、

やかましいシンバルの音を大量に重ねたりと、

キャッチーさなど度外視で作られたようなジャンルです。

一方、BPMが一般的なTechnoから上がっており、

曲調と相まって凄く疾走感があってノリノリになれるジャンルでもあります。

盆踊り

遂に来てしまいました…

最大の出オチ、盆踊りです。

作者は馬鹿か?馬鹿野郎なのか?

元は直前の三連符パートを思い出しながら曲展開を考えている時に、

頭の中で「ど~っんな~っに今日~っをっ生き~っ抜~いて~も」という

ゆっるゆるな「やる気のないメズマライザー」とでも言うべきイメージが浮かんでしまいました。

挙句の果てに、「このリズム、盆踊りだな」と思ってしまったのが運の尽き。

BPMも落として「どうした??」な落ちサビの完成です。

何気にここも指折りに苦戦したパートでした。

何せ「盆踊り」に当てはまるような曲、実は調べてみると、

意外と和風な音でも無かったりするんですよね。

確かに、例えば運良く見つけたこちら

これを聴くと確かに和楽器も含まれていそうですが、

ベースなど、少なくとも和楽器ではなさそうな音もあります。

挙句に例えばこの曲とかだと…

和風を銘打っている割に、オケのリズム隊がほぼ電子音だったりと、

音色面ではかなりEDMになっています。

案の定、Electronica並みに混乱した結果、

「取り敢えず多少の和楽器を入れてお茶を濁す音頭」が完成しました。

少なくともペンタトニックメインにしたのはギリ救済だったと思いますが…

Nu Style Gabba

盆踊りから命からがら逃れるを切り抜けるとお次は、

”Nu Style Gabba”(ニュースタイルガバ)になります。

Gabbaについては上記の過去記事で触れていますが、

Nu Style Gabbaの方はここから派生。

本流のGabbaがアップテンポだったのに対し、

少しテンポを落としたり、

三連符メインにすることで新たなリズム感を与えられたジャンルです。

三連符、はい。ここで繋がりました。

音頭で三連符になっていましたが、ここからスピードアップしていく上で噛み合いそうなジャンルとして、

Nu Style Gabbaに白羽の矢が立った結果です。

と言ってもテンポも180以上で遅くもなんともないのですが。

Uptempo Hardcore

さあ来てしまいました耳破壊ゾーン!(Gabbaの時点で煩いですが)

まず”Uptempo Hardcore”(アップテンポハードコア)は、

その名の通りテンポの速いハードコアという事なのですが、

特にキックのえげつなさ音色を重視し、

俺の最強のキックを聴け!」みたいな曲が多いです。

今回はかなり速いBPM240としましたが、そこまで速くない場合もある様です。

そして、Remixなのでしゃーなしでリードシンセもいますが、

Mainstream(主流)のHardcoreではそれすらなく、

キックしか鳴ってない事も少なくないですね。

Piep Kicks

Uptempoの前半部分はPiep Kicksと呼ばれるものを目指しました。

キック音を加工する上で、アタック(鳴り始め)部分を、

「ピィン!」とか「キィン!」とか、ものすごく高く五月蠅い音を強調したキックを”Piep Kick”(ピープキック)と呼びます。

もうどこがキックやねんと。

Zaag Kicks

更にヤバいパートが続きます。

”Zaag”(ザーグ)とはオランダ語で「ノコギリ」の意だそうです。

ノコギリのギコギコを思わせる「ギョバアアアアア!!!」みたいな

これまた恐ろしい音色のキック(…?)です。

ゲテモノサウンドですが割と想定通りの音色になったので、

自分で音作りした物の中では個人的に屈指のお気に入りです。

なお世の中にはこんな音すら凌駕する意味不明なキックも存在する模様

Speedcore

更にテンポアップ!

と言ってもキックを倍速で連打しているだけですが。

”Speedcore”(スピードコア)はUptempoと同じに見えますが、

こちらはキックの音色よりもトチ狂ったキックの連打暴れるスタイルと言えます。

今回がBPM480であるように、

Uptempoにはあまり使われない倍速での連打がむしろ常套手段だったりもします。

一方、Speedcoreの中にも色んなスタイルがあり、

メロディ綺麗なウワモノを超スピードキックの上に乗せた、

工事現場のドリルに囲まれてベッドでスヤァ…

するような良く分からないジャンルもスタイルとして確立されています。

Splittercore~Hypertone

ここからは最早狂気という言葉ですら言い表せないので、

一気にまとめて紹介してしまいます。

ここから先はただ、「1分間にキック何回連打したか」という連打ゲーの世界です。

そのスピードに応じて

  • Splittercore
  • Suizidecore
  • Extratone
  • Supertone
  • Hypertone

出世魚のごとく名前が変わっていきます。

スピードが上がるにつれてBPM可聴域の20Hz上回ってしまい、

重低音の消えた「ただのノイズ」が現れていくことから、

Extratone以降は接尾語が”tone”になっています。

これも別記事で詳細をまとめています。

鼓膜の替えを用意してお聴きください。

Hardcoreのサブジャンルを紹介!~超スピード系

これはHypertoneなのか?

今回のRemixでは上の記事でも紹介しているHypertoneに挑戦してみましたが、

元が「可聴域を超えたのに聴こえるように加工された謎の音」という事もあってか、

今回は上手く作れなかったと思っています。

聴き比べていただくと、同じHypertoneのはずなのになんか違う音色になってますよね…?

これでもHypertoneと言っていいのか、自分でもよくわかりません。

というかマニアック過ぎてHypertoneに関する情報無さ過ぎ!(むしろ沢山あってたまるかこんなジャンル)

Eurobeat

お か え り 鼓 膜

久々にまともに聴けるジャンルへ帰ってきました。

同時にこのジャンルが曲全体の中で一番メジャーなんじゃないでしょうか?

盆踊りかもしれませんが…あれは音楽というより踊りや文化全般なので…

言わずと知れたかもですが”Eurobeat”(ユーロビート)は、

4つ打ちを主体にギラギラしたシンセなどが特徴の、

明るくキャッチーなジャンルですね。

90年代を中心にJ-POPシーンを席巻しましたし、

今でも根強いファンがたくさんいるのでかなりの認知度でしょう。

数ある電子音楽の中で、何故Eurobeatというジャンル名だけがこんなに認知されたのかは分かりませんが、

少なくともこの派手音数が多く豊かな曲調が日本人の好みに刺さりやすかったのは事実でしょう。

そこと関係があるかは不明ですが、全体的に生楽器が意外と多かったりと、

他の電子音楽とは一味違った音使いをするジャンルでもあります。

詳細はこちらで!好きなジャンルばっか記事書いた結果がこれかよ!

ユーロビートとは?結局どんな音楽なの??楽器構成・要素から見るユーロビート

まとめ

これで登場ジャンル全てを解説しました(一部盛大に端折りましたが)。

お疲れ様でした!

今回はかなり好みや直感で、

「こここのジャンルにしたらおもろそうだな」

などと考えながらキワモノをぶち込んだりしましたが、

それなりにFullFlavorらしい馬鹿げたRemixには出来たかなと思います。

またFullFlavorは「自分の好みのサウンド、名前を知りたいけど分かんない!」という方や、

「幾つか好きな曲はあるけど、どういうのが好きか分からないから探せない!」という方にとって、

好きなジャンルを知ったり新たなジャンルを開拓する重要な糸口になると思っています。

今回はかなり選曲ならぬ選ジャンルが偏ってしまったと思っていますが、

今後はもっと幅広いジャンルを取り入れた、紹介にも使えるようなRemixもやってみたいですね。

それではまた~オヤカマッサン!