皆さんごきげんよう。駆け出しボカロPのIWOLIです。
ボカロやDTMについて調べていて、こんなことはありませんでしたか?
「『ボーカル』って書いてあるけど、これってボカロなの?」
「コーラスって出てきたけど、パッケに顔すらないぞ?」
そしてこれらの音源を買い、「これじゃない…」と落胆したことは無いでしょうか。
実は、ボーカルに関連する「人の声の音源」というのは幾つか種類があります。
これを間違えてしまうと、ボカロでは無いものを買ってしまうことになりかねません。
今回はこれらの勘違いしやすい問題について解説していきます。
これを読んでいただければ、人の声の音源の区別が付き、
今何を入手すべきかの判断が付く様になります。
是非最後まで見ていってくださいね!
Contents
ボーカルサンプル・声ネタ
まず1つ目は、「ボーカルサンプル」、通称「声ネタ」と呼ばれる音源です。
「ボーカル」と付いているため混同してしまいそうですがこれは、
録音された歌声や掛け声の音源です。
典型的(な気がする)例はこちらでしょうか。
7割ぐらい使いどころがイメージできないですが…(小声)
もっと洋風でストイックなものならこういったものも。
これらはボーカリストや声優さんが自身の歌声を録音し、
その音声ファイルをそのままWAVなどで販売・配布しているものです。
つまり歌詞など内容が固定されているので自由に歌わせる機能はありません。
歌声としてというより、あくまで録音された歌・言葉そのものを使うのが目的です。
活用例とメリット・デメリット
ボカロ出身だと「何に使うの?」と思われるかもしれませんがこれがめちゃ有用なんです!
めっちゃ分かりやすく使われているのが例えばこの曲の冒頭。
ぱらどっとさん、お気に入りなんです。
冒頭で思いっきり”EVERY BODY (|ω|) JUMP”と言っていますが、
これを始め曲中に登場する様々な人の声がまさにボーカルサンプル・声ネタです。
こんな感じで基本的にインストの曲に
「耳を引く人の声を入れたい!でも自分では撮れない…」と言った時に使われるのがボーカルサンプルです。
最大のメリットは生身の人間が発しているためとても自然で、
ボカロ系ソフトでの機械的な合成では困難な表現力を持つこと。
音声ファイルとして既に固定されているため、動作がとても軽いことが挙げられます。
またボーカルサンプルには他にもこのような実用例があります。
冒頭の「おーおー」という声は不明ですが、0:42から入る、
人っぽいけど加工されまくってるし何言ってるか分からない歌声。
これは「ボーカルカットアップ」や「ボーカルチョップ」と呼ばれるテクニックで、
ボーカルサンプルを細切れに分割し、並び替え・ピッチ変更などを行って再編したものです。
この曲のボーカルチョップについてはこの動画でも解説されていますね!
このテクニックはt+pazoliteさんの十八番でもある他、
相当色んな作品でも使われています。
実はボカロでも使われている曲があるんですよ!
個人的に「これだ!」と思うのが…
0:17から始まるイントロでは、欧米人っぽいお姉さんやお兄さんっぽい声で、
「ア~オ~エ^~ウッウッ」みたいな良く分からない声が聴こえますよね。
恐らくこれもボーカルチョップだと思います。
ただ一般的な作り方で考えるとボーカルサンプルをカットアップしていると思います。
この方法なら、既に音声ファイルとして固定されたボーカル・メロディでも、
ある程度自由な旋律を歌わせることも出来ますね。
一方でデメリットはやはり、自分で考えたオリジナルのボーカルを作るのは不可能に近い事。
既に歌詞・台詞・メロディ・発声のし方が決まっているので、
変えようとすると不自然さや劣化が発生するのは致し方ないでしょう。
必然的に、自在に歌声を編集して合成させ、
自分の作ったオリジナルメロディや歌詞を歌ってほしいボカロPのボーカル用としては利用できません。
既存の声音源を人力で切り貼りし、強引に歌ったことにする「人力ボカロ」という裏技はありますが…まさに苦行のそれですのでやるならお覚悟を。
しかもフツーに音MADだし。
音MADは置いといて、合法的に使えるボーカルサンプルなどは、
SONICWIREなど様々なショップで販売されている他、無料で配布されているケースもありますね。
たとえばこちらは特に有名なんじゃないでしょうか。
かの有名な「ななひら」さんのめっちゃ可愛いボイスが大量に収録されたライブラリです。
KawaiiFutureBassなどの「これぞニッポン!」な曲には引っ張りだこですね。
見分け方
ボカロと見分けるポイントの1つとして気を付けたい文言は「サンプルか否か」
「サンプルパック」などと書かれているとこのボーカルサンプルやボイスサンプルである可能性は高いです。
逆に「ソフト音源」「インストゥルメント」の場合はサンプルでは無いでしょう。
もう1つの確認ポイントがフォーマット。
WAVと書かれている場合は既に録音され固定された音声ファイルですので十中八九サンプル音源です。
ファイル数が記載されている場合も「これだけの数のボーカルや台詞の音声ファイルがある」ということが多いでしょう。
また今紹介したボイスサンプルは、フォーマットにKONTAKTと書かれていますが、
これはKONTAKTなどのサンプラーに対応していることを表します。
サンプラーとはサンプルを再生するためのソフト、楽器の事ですね。
音声ファイルをそのまま貼り付けるのとはまた違った活用が出来るようになっています。
その性質上サンプラーは、次に紹介するものとも近いかもしれません。
コーラス/クワイアなどのインストゥルメント
それが2つ目のこちら、コーラスやクワイアです。
先ほど「ソフト音源ならボーカルサンプルではない」と言いましたが油断はできません。
もう1つの勘違いしやすい物、クワイアなどの音源も存在するからです。
一例として分かりやすいのがこちら。
デモをお聴きいただくと分かると思いますが、所謂「コーラス」です。
こういった音源は「クワイア」と呼ばれ、特に紹介したこちらの、
“OLYMPUS CHOIR ELEMENTS“はDTMerの間で御用達のクワイア音源です。
これらは確かに入力したメロディに従って奏でるための音源ですが、
ボカロとしては使えない理由が歌詞の指定が出来ないことです。
こういった音源は、例えば「ア~」とか「オ~」といった幾つかの発音は収録していますが、
流石にボカロの様な、特定の言語の発音ほぼ全部丸ごとという訳にはいきません。
その代わりに、まるで本当に合唱団の歌声を録音したようなリアリティがあったり、
シンプルな発音の中で色んな雰囲気や味付けを変えたり、といった面に秀でているため、
こういった合唱だからこそ生み出せる世界観の表現に一役買ってくれるわけです。
とはいえこれらも、ボーカルサンプルとは違えど歌詞のある歌を出力できない性質上、ボカロ系ソフトとしては使えず、
間違えてしまうとボカロ曲が作れないということになりかねません。
見分け方
販売形式があくまでインストゥルメントやソフト音源としてなので、
もしかしたらボーカルサンプルよりも混同しやすいという方もいらっしゃるかもですね。
1つの確実な見分け方は、その音源が対応するエディターソフトを確認することです。
例えば先ほどの”OLYMPUS CHOIR ELEMENTS“ならこのように、
「搭載エンジン:Kontakt 5 Player」と書かれていますね。
そう、先ほどのななひらさんのボーカルサンプルでも記載のあったサンプラーですね。
少なくともKontaktの様な、汎用的なサンプラーはボカロとして歌詞を歌わせるのは厳しいため、
こういった汎用的なサンプラーの記載があった場合は、ボカロではないと判断して良いでしょう。
逆に例えば、有名なミクさんとかだとボーカルエディターと称して、
“Piapro Studio”(初音ミクV4X)や”Piapro Studio NT2″(初音ミク NT)など
歌詞のあるボーカルパートを編集するのに特化したエディターソフトが記載されています。
特に有名な、有料音源(「歌声ライブラリ」と呼ばれます)を持つボーカルエディターは主に以下です。
- VOCALOID
- Piapro Studio
- Piapro Studio NT2
- CeVIO AI
- VoiSona
- Synthesizer V 2
少なくともこれらが記載されていれば間違える事はないでしょう。
一番確実なルート、公式サイト
とはいえ大量の情報の中からそれっぽい音源を探し当て、
ちゃんとボーカルに対応したボカロ系ソフトかどうか判断するのは不安もあるでしょう。
そんな方にお勧めしたい、一番確実な入手ルートはやはり、公式です。
例えば初音ミクを含むCRYPTONのピアプロキャラクターズに関しては、
このように公式で紹介されています。
また近年界隈をにぎわせているSynthesizer Vなら、
このようにホームページの”Our Voices”にて紹介されていますね。
個人的にお気に入りなVoiSonaも、
こうして”Artist”ページに一覧があります。
色んなサイトに飛ぶのが面倒という場合、様々なブランドをまとめて販売するサイトも良いでしょう。
その場合は以下の”SONICWIRE“など、日本のサイトから探すことをおすすめします。
このようにざっとみてもかなりの数、それも色んなエディターの音源がラインナップされています。
これが海外のサイトとなると、需要のせいかボカロ系が一気に減ってしまう傾向があるようなので、
日本のサイトや実店舗を探すのが良いでしょう。
注意点はやはりこれまでにも解説した、ボカロではないソフトも紛れ込むことと、
エディターや歌声ライブラリが網羅されていない場合もある点ですね。
SONICWIREは確かに広くラインナップされてはいますが、
探したところVoiSonaに関しては取り扱っていないようです。(まだ対応していないのか、自力だけで行くつもりなのか…)
なのでたくさんの候補を片っ端から調べたい場合は少し頑張って調査する必要がありますが、
サクッと「いい感じのボカロ系ソフトが欲しい」という場合にはSONICWIREなどは良い選択肢になるでしょう。
まとめ
ということで今回は、初心者が陥りがちな勘違い、
ボカロ系ソフトと、ボカロではない人の声の音源との違いについて解説しました。
この記事を見て、勘違いしたまま購入して後悔してしまうようなケースが減らせたら幸いです。
またこの記事はボカロ以外との比較でしたが、
「そのボカロの中でどれを選べばいいか分かんない!」という方!
そんな貴方には以下の記事、
がおすすめです。是非参考にしてくださいね!
それでは、オヤカマッサン~
















