突然ですがこのメロディをお聴きください。
もしこれがオリジナルだと思った方はこの先もご覧ください!
(オリジナルで無いと思った方も見てくれると嬉しいです!)
Contents
メロディの正体
早速本題に入りましょう。
先ほどのメロディ、トランペットのゴキゲンなフレーズですが、
実は日本人なら耳馴染みがあるであろう「あるフレーズ」のアレンジなんです。
ヒントはこの部分!
ここは変更が少ないので「なんか聞き覚えが…」と思われた方も多いかもしれません。
これのスイングしたリズムを無くして~
一部の音をズラして~
これは結構近づいたんじゃないでしょうか?
さらに半分のスピードにして最後に音を加えれば…
そう!「チョコレートは明治♪」でお馴染みの、
明治チョコレートのテーマだったんです!
どうでしょう?最初のメロディでは結構気づけなかった方も多いのではないでしょうか。
ここからは似ているメロディとその差、そしてこれを活かした作曲法を解説します!
オリジナルとパクリの境界
パクリ。
パクリって凄く忌み嫌われますよね。
自分の作ったものが何かに似ていたら
「またパクリみたいになっちゃった…」と全部無しにしたり、
人の作ったものが他の何かに似ていたら「パクったな!」と火をつける人が居たり。
ですが、パクリの基準って何なんでしょう?
例えばサビ丸ごと同じ動きをしていたら、確かにパクリと言わざるを得ないでしょう。
キーが違ったり、BPM・楽器構成(編曲)・歌詞が違っても、
それはアレンジとか替え歌と呼ばれ、オリジナルとは認められません。
じゃあメロディの一部が一致している場合はどうでしょうか?
「似てるメロディ」って意外とある
結論から言ってしまうと、実はメロディが似ている曲って意外と沢山あります。
特にサビの頭や終わり方など、一部分に限ってみれば、
酷似した動きはむしろ頻繁に用いられるくらいです。
例えばAdoさんの代表曲「うっせぇわ」
最初の「うっせぇ うっせぇ うっせぇわ」というフレーズが印象的ですが、
この「下 上 下 上」という動きは印象が強いのもあり物凄く頻出です。
例えばサンドリヨン!
「見知らぬ」の4つが「下上下上」と飛び回る始まり方ですね。
また東方projectの有名曲、「U.N.オーエンは彼女なのか?」のサビ、
U.N.オーエンは彼女なのか?
こちらもサビ冒頭が「下上下上」で始まり印象的ですよね。
あとはルカルカ★ナイトフィーバーのサビも近いです。
拙作の耳コピで恐縮ですが…
違った形のメロディでも見てみましょう。
お次はこちら、ロストワンの号哭です。
こういった現象は、特に異なる界隈の音楽に明るいほど見つけやすい印象があり、
時にはこんな動画が挙がったりもします。
「また東方かよ」って感じですが、何故か東方はこういった現象が見つかりがちだったり、
共通点のある曲とのマッシュアップアレンジが量産されたりしがちです。
確かに東方の作者ZUN氏は「東方は自分が今まで見聞きした物の二次創作」なんて仰るくらいですが、
東方の1曲に似ている曲が複数見つかる時点で、
それら同士も似ているということです。
つまり、同じようなメロディで始まる曲は気づかないだけで
大量にあふれかえっている可能性の方が高いです。
「要」を崩せばオリジナルになる!
これまでお聞きいただいて、確かに似ていると思えることもあれば、
結構違うと思う場合もあったかと思います。
もちろんその人の感性次第な所もあり、
同じ組み合わせでさえ、似てるという人と似てないという人に分かれるケースもあります。
ですが僕は似て聴こえる部分、「要」を改変して崩し、
実は何かと共通していたけど、面影が無くなったのでオリジナルになった
(原曲からの派生と言える証拠が消えた)と言える状態にすることで、
結果的にオリジナルを生み出すことは出来ると思っています!
オリジナル(だと言い張っている)曲で例を見る
ということでまた自分の作品の話になってしまいますが、
拙作アナザーランドのメロディで、既存曲と似ている部分と、
どのように差別化されているかを紹介します。
イントロ
ではまずイントロから。
イントロから既によく似た(というかかなり参考にした)曲がこちら。
BlackY feat. Risa Yuzuki氏のRealidiaです。
8分音符が主体なだけでなくシンコペーションする位置すら同じで、
かなり似過ぎてしまっているかな?と思うリフですね…
それでも、コード進行の違いに合わせて使う音を変えていったり、
3小節目以降はリズムも変えるなど変化を加えてオリジナルっぽくしています。
Aメロ
次のAメロはそこまで似てないかもしれませんが、
「ちょっと近いかも?」と思う動きがありました。
Aメロ同士で似ているのはこちらでしょうか。
ワイ、オーバーライド好きねぇ
といってもこれは一瞬で、冒頭の「寒い 寒い」、「ダダッ ダダッ」のリズムが、
オーバーライドの「バッドランド」の「ダッ ダダッダ」と近いかもしれない程度です。
上下する動きこそ一致していても、
長さは1小節程度であり、アナザーランドではアウフタクト(小節の1拍目以外で始まるリズム)があるため
あまり似ているとは思わないかもしれません。
でもタイトルは「オーバーライド」と「アナザーランド」で地味に似ているのだった。
サビ
最後にサビを見ていきましょう。
サビの歌い出しについては「明かせ!」から始まる、
(明か)「せ~だけのア」(ナザー)の部分は同じ音程が続きます。
同じ音の連打というシンプルさのためここに限れば一致する曲は相当あると思います。
例えば名曲、ODDS & ENDS のサビ後半などでしょうか。
ごめんなさい…公式の原曲が挙がってないっぽいんです…
(ガ)「ラクタの声はそ」(して)のカギかっこ部分が同じ音ですね。
あとはこの曲はサビの歌い出しが同じ音連打ですね。
REDALiCEさんから知った側です()二人の楽曲解説好き
(目)「指すは最こ」(うの)の部分が同じでしょうか。
ひとまずテンポ感も近い所から2曲紹介しましたが、
これについてはシンプルですし探せば幾らでも出て来そうですね。
似たメロディと、崩された「要」
これまで、オリ曲と似てそうな曲を幾つか上げてきましたが、
皆さんはパクリだと思われますか?
思ったとしたら僕のメロディ力不足だと思います…精進します!
何らかのメロディに影響を受けたり、時には基にしながらも、
これらは全て「要」になる部分の形を変えたり、
前後に明確に違う部分を差し込むなどの工夫をしています。
既存曲と共通する部分があったとしても、
違う要素を持つ・違う形に進んでいくという差別化が図られていれば、
十分オリジナルとして成立するという事を感じていただけたでしょうか?
まとめ
ということで今回は、メロディの魔改造の話から始まり、
似たメロディ、似てしまってもオリジナルに出来るという話をしました。
音楽に限らず何かを作ろうとする時って、真似をしないオリジナルにしたくても、
何かに似てしまうせいで完成させられないって経験は意外とあるんじゃないでしょうか?
そんな時はこの話を思い出して、独自性を付与したり、
形を明確に変えて差別化を試してみましょう!
それではオヤカマッサン~
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